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「9月入学制度」の問題点と、その解決のカギは?

教育・子育て

まさかこんな形で話が持ち上がるとは思いませんでしたが、コロナウィルスの影響で9月入学制度についての議論が巻き起こっております。

世間一般に言われている9月入学制度のメリット・デメリット、そしてそれについて思うところと、問題解決のカギになるのではないかと考える、スウェーデンの教育制度について考えてみます。

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9月入学制度のメリット

海外留学に関するメリット

9月入学制度のメリットとして、一番にあげられるのは海外留学に関することです。海外留学をするにしても、海外留学生を受け入れるにしても、年度開始の時期があっているのに越したことはありません。

留学以前の、大学入学自体にも影響はあります。海外の大学に挑戦しやすくなりますし、また外国の人が日本の大学に挑戦しやすくなります。

グローバル化の流れに乗るという意味では、9月入学制度はメリットになりますね。

入試時期に関するメリット

細かいところで言えば、これまでの形では、入試シーズンに雪が降って、電車が止まるということがよくありました。毎年おなじみのニュースですね。

9月入学制度になれば、入試は6月ごろになるのでしょうか。そういう天候で交通機関がとまるという心配は減るかと思います。

病気の面でもメリットがあります。インフルエンザは冬の寒い時期に流行ります。コロナウィルスに関しては分かりませんが、インフルエンザ同様に暑さに弱いのであれば、入試を寒い時期にしない方が良いでしょう。

9月入学制度のデメリット

新卒採用に関するデメリット

9月入学制度のデメリットとして、よく言われているのが、会社の新卒採用の時期と合わなくなるというものです。しかし、これはどうなんでしょう。

終身雇用・年功序列でやっていて、そしてこれからもそれで行くのであれば、新卒一括採用が望ましいです。しかし、経団連の方の話では、それではやっていけないので、成果主義を導入していく必要がある、という話でしたよね。

であれば、今までの新卒一括採用はやめにして、通年採用にすべきではないでしょうか。むしろそれがあるべき姿なような気もします。そうすれば、9月入学制度は採用に関して、デメリットにはなりえません。

もちろんその他にも、新卒採用に関しては、いろいろメリット・デメリットはあります。しかし言い出したら切りがありません。それはまた別の機会にします。むしろこの新卒採用のデメリットよりも、もっと大きなデメリットが、9月入学制度にはあると、私は考えます。

ストロー効果による人材流出

9月入学制度のデメリットとして、私が一番気になるのが、最初にあげた「海外留学のメリット」の裏返しの部分です。

かつて本州四国連絡橋が完成したとき、四国の人たちは喜びました。本州から四国に人が入ってきて、過疎が緩和されるのではないかと思ったのです。しかし現実はどうなったのでしょうか?

実は、逆に四国から本州へ人が出ていってしまったのです。これをストロー効果と言います。日本で活躍したプロ野球選手が、どんどんメジャーに挑戦するようなものです。人はより魅力ある方へ、移動していくのです。

同じようなことが、大学でも起こるのではないでしょうか? 海外の大学との交流がやりやすくなるというメリットが取り上げられていますが、むしろ日本の優秀な人材が海外の大学へ流出していくという、デメリットの方が大きくなるかもしれません

それを食い止めるためには、日本の大学を魅力的にしなくてはなりません。もしかすると、大学入試改革の目的の一つは、それであったのかもしれません。またそれと同時に、日本という国自体が、魅力的である必要があります。

それができているのか、あるいは今後できるようになるのか、不安なところです。

飛び級制度や留年について

コロナウィルスによる学校休校のために、9月入学制度にすると、海外と比べて1年ずれることになるという指摘があります。これもデメリットの一つです。

ですが、これを解決する方法があります。それは「飛び級制度」を導入することです。

学校が休校している間、子供たちは勉強をしていないわけではありません。やる子はやっています。そして残念ながら、やらない子は本当にやっていません。コロナウィルスが収束し、学校が再開したとして、一番の問題はこの学力格差ではないかと思います。

ですので先ほど述べた「飛び級制度」と同時に、もっと寛容な形で「留年」も認めたらよいのではないかとも思います。聞きかじりで申し訳ありませんが、スウェーデンの小学校・中学校ではそのような形になっているそうです。

もちろんこれをすぐに導入するなんで、無理な話だと思います。またこれを導入したとして、それによるデメリットもあるでしょう。

しかしこれが定着すれば、今後コロナウィルス同様のことがあって、学校休校となったとしても、その影響は最小限に抑えられるような気もします。(ただそのスウェーデンが、中学以下の学校休校をしていない、というのがなんともはやですが……)

まとめ

9月入学制度について、思うところを書いてみました。私個人の意見では、「飛び級制度」と、もっと寛容な形で「留年」を認めることが、諸問題の解決のカギではないかと思います。

もちろん現場の方たちは、いろいろ大変な中、頭を痛めていると思います。その中でなんとか良い道はないかと、必死で考えておられるのでしょう。そんな中、何もわかっていないやつが、勝手なことを言って……と思われるかもしれませんが、まぁ、個人の意見と言うことで……

何はともあれ、コロナウィルスが早く収束してくれることを願います。

 

 

 

 

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