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宿題をたくさん出すことに、意味があるのか?

教育・子育て

「宿題をたくさん出してください」という、保護者からの要望があります。「うちの子は宿題を出さないと、勉強をしないんです」とおっしゃります。これってどうなんでしょう。宿題をたくさん出すことは、子供の勉強にとって良いことなのでしょうか。

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宿題は何のためにするのか

そもそも「宿題は何のためにするのか」という疑問があります。

宿題の本来の目的は、授業内容を復習させて、記憶を定着させることです。ですので少し忘れたころに宿題をやって、「あー、こんなこと授業でやったなぁー」となれば、それで宿題の役目は果たせたことになります。

もちろんたくさん練習をして、体に覚えさせるというのも大事です。野球の素振りや、バスケのシュート練習、柔道の受け身みたいなものですね。それにより、「わかった」という状態から「できる」という状態に引き上げるのです。

ただ、それは宿題の役目でしょうか? それは宿題とは別に、本来は自主的に行うべきことです。野球漫画でもありますよね。夜中に素振りをしているシーン。そういうことです。

宿題をたくさん出されたらこうなる。

想像してください。宿題をどっさり出された子供の気持ちを。「はぁ、めちゃくちゃ宿題あるなぁ。面倒くさいなぁ」ですね。その状態でやる宿題はどうなるでしょうか? パターンは2つです。

まず最初のパターン。「宿題やりましたよ」と言って、テキストを見せてくれます。しかし丸つけができいません。本人は問題を解いたらそれで宿題をやったことになっているのです。たくさん問題をといて、「はぁー疲れた。オレ頑張ったなぁ」と言う感じです。なので、それが正解しているかどうかなんて、どうでも良いのです。

またこんなパターンもあります。問題はちゃんと解いてある。そして答え合わせもしている。間違った問題のところには、赤ペンで正しい答えを記入している。一見ちゃんとできているように見えます。

そこで私はその子に、こうたずねます。「ここに間違っている問題があるよね。今、もう一回やれば、正解できるかな?」 するとこう返ってきます。「いや、わからないです」

この子は間違った問題のところに、赤ペンで答えを写しています。ただそれだけで、正解した気分になっているのです。きちんとやり直しを、していないのですね。だから、こういう返答になるのです。

問題を解いて、丸つけをして、間違った問題をやり直す。これは思っている以上に、大変な作業です。通常の宿題であってもそうです。それが宿題の量を増やされたとすると、どうなるでしょうか? 上記のような、やりっぱなし率は上がるに違いありません。

勉強しないのは、宿題が出ていないのが原因か?

「うちの子は宿題を出さないと、勉強をしないんです」と言われてしまう子供は、そもそも勉強に対する意識が低いです。ということは、宿題が出ていないから勉強しないというより、ただ単に勉強をしない人なのです。

となれば、宿題の量を増やしても意味はありません。増やしたところで、いやいやする勉強の時間が増えるだけです。それって本当に意味がありますか?

確かに保護者の方としては、家で勉強している姿が感じられないのは、不安だと思います。ただ、それだからといって「宿題の量を増やしてください」というのは、的を外しているのです。それよりも改善するべきは、子供の意識です。

つまり「宿題を出さないと、勉強をしない」という気持ちから、「宿題を出さなくても、勉強する」ような気持ちに、意識を変化させることが大事なんですね。

まとめ

家で勉強をしている様子が感じられない、ともし思われるなら、ぜひ子供の宿題の内容を確認してください。おそらくきちんとできていません。まず宿題自体をやっていない。次にやってはいるけれど、丸つけができていない。あるいは答えを赤ペンで書き写して終わっている。このどれかです。

「宿題の量を増してほしいと」いう要望の前に、まず正しい宿題のやり方について話をしてあげてください。もちろん学校や塾で、そういう話はしていると思います。しかし親から言われるのはまた別なのです。

宿題をするのに付きあってあげるのも一つです。「中学校の勉強なんてわからないわ」とおっしゃる方がいるかもしれません。それでもいいのです。「この問題、難しいね。どうしたらいいんだろうね。じゃぁ、これは先生に質問しておいで」と言ってあげてください。

そしてこれが一番大切なことですが、目標の話をしてあげて欲しいのです。勉強なんてものは、本人がやる気にならないと、周りが無理やりやらせても意味はありません。

定期テスト前に「~のプリントください」と言ってくる子供がいます。そういう子にはどんどん問題をあげます。ですが、「うちの子は宿題を出さないと、勉強をしないんです」と言う子に対して、宿題を増やすのは …… どうなんでしょうね。

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