自習に来ていた生徒が「今日、4時間勉強したわー」と満足そうに帰っていきます。いやいや、4時間塾にいたのは知っていますが、その4時間で何をしたのかが大切です。
そもそも勉強には時間をかけるべき勉強と、時間をかけなくてよい勉強の2種類があります。もしその子が「時間をかけなくてよい勉強」を4時間かけてやっていて、それに満足していたのなら、こんなバカな話はありません。
時間をかけるべき勉強
定期テストの勉強で、自習に来ている子がいました。その子は数学の過去問に取り組んでいました。30分ほどして、再び様子を確認すると、違う教科の勉強になっていました。
「さっきやっていた数学は?」と聞くと、「終わりました」との返事。「どうだった?」と聞くと、「まぁまぁです」と返ってきます。
いやいや、まぁまぁとは何なのか? 完ぺきではないということは、分からないところがあるはずです。であれば、その分からないところを調べてやり直して、できるようにしなくてはなりません。
それを考えると、過去問が30分で終わるというのは、実際のテスト時間よりも短いです。そんなことはあり得ません。間違えたところ、分からなかったところの、見直しやり直しは、時間をしっかりかけてやらなくてはなりません。
時間をかけなくてよい勉強
小学生には、授業の最後で宿題を出します。その時にその子がよく言うことがあります。「今週は忙しいので、宿題を少なくしてくれませんか?」
「あれ? あなた、売れっ子芸能人でしたっけ?」分刻みのスケジュールで、睡眠時間が移動時間にしか取れないような生活をしているのならともかく、小学生の宿題に関しては、「忙しい」という言い訳は通じません。
小学生には解答を渡していません。そして宿題はP12と13の練習問題をやってくるようにとだけ言います。つまり答え合わせは、次週来たときに、先生の方で丸つけをすることになります。そしてそのやり直しから、次の授業がスタートという寸法です。
ですので小学生の宿題は、単にやるだけです。単にやるだけなので、時間などかかりようがありません。よって「忙しい」から、やる時間がない、なんて言い訳は通じないのです。
もちろん多少考えなくてはいけない問題もあるでしょうけれど、ある程度考えて分からなければ、それはもう仕方がありません。次に来たときに、一緒にやり直しましょう。
2種類の勉強
勉強には2種類あります。問題を解く勉強と、丸つけをしてやり直すまでの勉強です。
問題を解く勉強は「弱点を探す勉強」です。自分の分からないところを見つけるための勉強なので、時間をかける必要はありません。
丸つけをしてやり直すまでの勉強は「弱点を克服する勉強」です。これは時間がかかります。解説を読んだり、調べたり、質問したりとすることがたくさんあるからです。
勉強をすると一言で言っても、この2種類の勉強をしっかり整理することが大切です。最初の例ですが、「4時間勉強をした」と言っても、この2種類の勉強の割合はどうだったのでしょう? もしかすると「弱点を探す勉強」にだらだらと時間を費やしていたのではありませんか?
まとめ
勉強時間が多いのは、ただ多いだけでは意味がありません。必要な勉強に、必要な時間を費やすことが大切です。
「長い時間勉強をしている割に、成績がそれにともなわない」という人は、「弱点を克服する勉強」に、時間を使えているかどうかを確認してください。「弱点を克服する勉強」とは、丸つけをしてやり直すまでの勉強です。
「長い時間勉強をしている割に、成績がそれにともなわない」という人は、おそらく「弱点を探す勉強」にだらだら時間を費やしていたか、あるいはそもそも勉強に2種類あることを知らなかったのではないでしょうか? そこを意識するだけでも、勉強の効率は改善しますよ。
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