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自信があるのにテスト結果が伴わない原因と、スランプの正体は?

おすすめ勉強方法

いよいよ明日から定期テストが始まるという日。「今度のテストはいけそう?」と聞くと、「まぁ、普通ですかねぇ」と答える子が多いです。

ですが、中には「ばっちりですよ。任せてください」と頼もしい返事の子もいます。逆に「いや…… 全然自信がないです」と言う子もいます。彼らの結果はどうだったのでしょう?

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自信があると言った子

テストに向けて、自信があると言った子の場合、8:2の割合で、思っていた点数が取れていません。それに対して、いろいろな言い訳があります。こんな言い訳が多いです。

「テスト前にめっちゃ頑張ったあの問題ですが、本番で出題されていませんでした」

それは山をはった勉強をして、その山を外しただけの話です。そんな粗い勉強で、自信を持たれたら困ります。

まだそれならいいのですが(本当はよくはないのですが)、「あの問題、練習してできると思っていたんですが、本番で正解できませんでした」なんて言い訳もあります。テスト前の自信は、何の自信だったのか?

自信がないと言った子

テストに向けて、逆に自信がないという子がいます。彼らの半分以上は、不思議なことにそれほど悪い点数になりません。もちろん「自信がない」という言葉通り、ひどい点数の子もいます。ですが、むしろ普段よりもグッと点数をあげる人の方が多いです。

実際の点数で比較しても、「自信がある」と言った子より、「自信がない」と言った子の方が、点数が上だったという、逆転現象はよくあります。

「テスト前、自信がないって言ってたけど、結構できているね。なんでかな?」と、原因をたずねても、「いやぁ、何でかわかりませんけど、思ったより良かったです」と返ってきます。

自信は普通ですと言った子

テストの自信は? と聞かれて、「普通ですかねぇ」と答える子は多いです。そんな子はいつも通りの点数か、あるいは普段より少し低い点数になります。前回のテストから極端に点数をあげることは、このパターンではほとんどありません。

そもそも「自信が普通」って、どういうことなんでしょうね。

勉強時間と自信の関係

ところで定期テストにおいて、勉強量と点数はほぼ比例します。それは範囲が狭いからです。ですが、勉強量と自信は単純に比例しません。

それはこういうメカニズムになっています。例えば、やるべき内容がA・B・Cと、三つあるとしましょう。

Aしかやっていない人は、やるべきことが全然終わっていないので「自信がない」と言います。Bまでやった人は、ある程度やるべきことをし終わったので「普通です」と言います。Cまでやった人は、一通り終わったので「自信がある」と言います。ここまでは勉強量と自信は比例しています。

しかし、勉強はこれで終わりではありません。もう一度Aに戻って確認しますよね。すると理解していたと思っていたのにも関わらず、実は半分くらいしか理解できていなかった、なんてことがあります。これはまずいと、Aをもう一度しっかりやり直します。そしてそれが終わりました。

しかし、まだBとCは残っています。今の調子なら、BとCも半分くらいしか理解できていないでしょう。するとAの復習が終わった時点での気持ちは、「自信はない」になります。ここで勉強量と自信の逆転現象が起こるのです。

図で示すと、このような感じです。

一回目のCをした人は「自信がある」ですが、二回目のAをした人は「自信がない」です。つまり二回目のAを勉強した段階で、自信と時間の逆転が起こります。そしてその逆転現象は二回目にCまでやり終わるまで続きます。

ダニング=クルーガー曲線

ちなみに下の図は、ダニング=クルーガー曲線と呼ばれるものです。

ダニング=クルーガー効果

「経験が少ない人ほど自分を過大評価する」「経験の多い人ほど自分を過小評価する」という傾向にあります。これをダニング=クルーガー効果といいます。

この図が表す「自信」の形に注目してください。いったん上に上がって、そのあとぐっと下がって、また上がっています。先ほど挙げた「勉強量と自信」の表の、「自信」の形と同じですね。

つまり勉強に置き換えると、「勉強をしていない人ほど自信を持つ」「勉強をたくさんするほど自信がなくなる」ことになります。本当の自信を手に入れたいなら、自信を無くしたその向こう側に届くまで、勉強をする必要があります。

ソクラテスの無知の知

ところで「無知の知」と言った、ソクラテスの話です。

ソクラテスは、「自分はたくさん勉強をしたけれど、まだ何もわかっていない」と考えました。そこで高名な人たちを訪ねて、各地を渡り歩き教えを請います。しかし実際にその人たちと話してみると、彼らは自分よりも物事についてわかっていませんでした。

そこでソクラテスは、こう思うようになったそうです。

「彼らより私の方が賢いだろう。なぜなら、彼らはわかっていないのに、わかったと思い込んでいるからだ。少なくとも私は、まだわからないことだらけだと自覚している」

これが「無知の知」です。勉強する中で、肝に銘じておくべきですね。

スランプの正体とは

勉強をしていて、スランプがあります。やってもやっても、力がついていないように感じて、自信をなくす時期です。

スランプを乗り越えたら、急に力が伸びるとよく言われます。これは自分の力が一段階あがる、予兆だから、引き続き頑張ろうという意味で言われます。

ですが、実際はスランプ中だからといって、力が伸びていないことはありません。「勉強時間と自信の関係」の項で述べたとおり、スランプ中も力はついています。その力と自信の間に、ギャップがあるだけです。

「スランプを乗り越えたら、急に力が伸びる」というのは、心の持ちようで、ゴールは近いと思って頑張りなさいよ、ということです。

まとめ

以上を踏まえて、自信があるとき、ないとき、普通のときの心構えです。

  • 自信がある」と思うなら、その自信が本物なのかどうなのかという疑いは、心の片隅に持っておきましょう。その場合の多くは、自信過剰・思い上がり・うぬぼれです。
  • 自信がない」と思う必要はありません。その場合の多くは、自分を卑下しているだけです。それ自体に意味はありません。冷静に目標と現実の差を分析して、足りない部分を補いましょう
  • 自信は普通です」というのは、勉強量が中途半端です。まずは、勉強量を増やしましょう。そうすれば、なにかしらの思いが出てくるはずです。

麻雀マンガの金字塔、根こそぎフランケン3巻で、ワニ蔵が田村にこう言います。

恐れるな ただし侮るな その両方がミスを生む

自信のあるなしも、同じことです。やっていることが正しい努力なら、それを淡々と続けていけばよいのです。

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