リスニング問題の勉強方法には、どのようなものがあるでしょうか? 世間一般に言われているやり方のメリット・デメリットを確認しながら、本当に実力がつくリスニングの勉強方法を、考えてみましょう。
聞き流すだけで、英語が聞き取れるようになる?
聞き流すだけで英語が聞き取れるようになるという、英語教材があります。子供が言葉を覚えるのは耳からだ。子供は周りの大人たちが話すことを聞いて、それをまねして、言葉を身につけていく。ということで、英語を聞けば聞くほど英語が身につくという理屈です。
確かに一理あります。ただ、聞き「流す」というのが、本当に効果があるのか疑問です。例えば Ben E King が歌う Stand by Me という曲があります。有名なので聴いたことがあるかもしれません。口ずさんでみましょう。「ウェンザナイト ハズカム フフフンフンフンフン」と、途中から鼻歌になってしまいました。
次は Wham! の Last Christmas です。クリスマスシーズンには定番の曲なので、嫌というほど聴きましたね。「ラーストクリスマス フフフフン」やはり、途中から鼻歌です。
いやもちろん、ちゃんと歌詞が言える人もいるでしょう。ただそういう人は、その歌に興味を持ち、歌詞カードなり何かで、その歌詞を確認した人に違いありません。そもそも日本の有名な曲ですら、歌詞が怪しいやつありますよね。洋楽ならなおさらです。
「英語を聞き流す」というのは、これと同じことなのです。真剣に聞こうとして聞く分にはいいのです。しかし聞き流してしまうと、それはバックグラウンドミュージックとなり、印象的なところしか耳に残りません。「イグザクトリー」とか「サンキューソーマッチ」とかそんなものです。
まぁ、何もしないよりはましでしょうけれど、聞き流すだけでリスニング力がつくと思うのは、過剰な期待と言わざるを得ません。
英語のドラマを見る
英語聞き流すのがダメなら、真剣に聞く方法は何かないでしょうか? おすすめの方法があります。それは英語のドラマを見るというやつです。
海外の英語のドラマは面白いものがたくさんあります。ネットで調べてもらえれば、いろいろなランキングがあります。そういうもので、自分の興味があるものを見つけてもらえたらと思います。しかし面白そうというだけで、選んではいけません。まず海外ドラマを選ぶ時の基準が二つあります。
英語字幕があるものを見る
まず一つ目は「英語字幕がある」ことです。その英語字幕があるドラマを、どのような手順で見ていけばよいかをお伝えします。
まず最初は「日本語字幕」で見ます。これによって話の内容が頭に入りますね。純粋に楽しめばよいです。次に「英語字幕」で見ます。ここはじっくりいきましょう。面白そうな表現があれば、戻して確認するのもよいです。実際に口に出してまねをするのも有効です。そして最後は「字幕なし」で見ます。
「字幕なし」とはいえ、よくわからないことがあれば、その部分の字幕を出して確認することもあるでしょう。また「字幕なし」では厳しいと感じるなら、また「英語字幕」に戻るのもいいです。その辺は臨機応変にやっていきましょう。あまり勉強と思わずに、楽しんでやることが大切です。
アクションものは避ける
海外ドラマを選ぶ基準の二つ目は、アクションものは避けた方が良いということです。
個人的な話ですが、私は「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」を購入しました。結末が少し残念な感じでしたが、めちゃめちゃ面白かったです。ただ、リスニングの勉強という点では少し疑問があります。
戦闘シーンやアクションシーンが多く、それにともなって会話も怒鳴りあうものが多いです。ですので、純粋にリスニングの勉強という点では、効率が少し悪いように感じました。まぁ、これは勉強のために買ったのではないのですが……
それもあって次に選んだのは「ヴェロニカ・マーズ」です。これは良かったです。一話完結の探偵ものなのですが、まず主人公ヴェロニカ役の「クリスティン・ベル」の滑舌が良く、英語が聞き取りやすいです。そしてそのヴェロニカの一人語りが多いので、たくさんの英語に触れられます。もちろん内容も面白いです。
受験で合格するためのリスニング力をつける。
英語のドラマを見るのもよいですが、これはあくまで娯楽のついでに、リスニングの勉強をしようというものです。実際に腰をすえてリスニングの勉強をしようとすると、どうしたらよいでしょうか?
そのためには、入試問題を解くのが基本です。しかし「正解した!」「間違ってた……」だけで終わってはいけません。正直そこはどうでもよいです。入試問題のリスニングには「スクリプト」というものがあります。リスニングの内容を文字に起こしたものです。それを使います。
リスニング問題をして、しっかり内容が聞き取れなかった場合は、そのスクリプトを見ながら、リスニングをもう一度聞くのです。先ほどのドラマでいうところの、英語字幕を出しながら見るようなものです。そして音声と英語が、しっくりくるまで繰り返しましょう。
最後にスクリプトなしで、聞いてみましょう。話の内容が英語のまま、スーッと入ってくれば完璧です。字幕なしでドラマを見るようなものですね。
やっていることが海外ドラマを見るのと同じなら、海外ドラマを見ていればいいじゃないかと思われるかもしれません。ただ、それだとテーマに偏りができてしまいます。先ほどのヴェロニカ・マーズなら、高校生の悩み、友情、恋愛、そして事件です。そこには地球温暖化の話は出てきません。
またどうしてもドラマを見ていて気になるフレーズは、日常会話特有のものになりがちです。ヴェロニカ・マーズにこんなセリフがありました。
ヴエロニカがあることで捕まったのですが、そこで弁護士の言ったセリフがこれです。意味は「それは大したことじゃない」です。「問題はそこじゃなくて、別のところにある」という話の中で、ミッキーマウスが出てきたのです。
実は Mickey Mouse には「つまらない・取るに足らない」という意味があるのです。面白いですよね。でも受験のリスニングで考えると、あまり役に立ちそうもありません。
受験を考えると、受験にふさわしいテーマで、リスニング力をつけるべきです。なので普通と言えば普通のやり方になりますが、入試問題のリスニングとスクリプトで勉強するのが一番良いのです。
まとめ
リスニング力をあげるには、いろいろな方法があります。ただ「リスニング問題の勉強方法」としては、スクリプトを活用するのが一番だと思います。今まで問題をやって終わり、としていた人は、ぜひ試してみてください。
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