1問解いたらその分だけ頭が良くなるのは当たり前です。それが「1問解いただけで、4問解いたのと同じくらい頭が良くなる勉強方法があります」と言ったらどう思いますか? うれしいですよね。あるいは「そんなうまい話あるの?」と、疑う人がいるかもしれません。
安心してください。これは至極まっとうな勉強方法です。では、それを確認していきましょう。
塩素の性質として正しいものを選べ
「全然わかりません。答えは何ですか?」
「2. が正解だよ。塩素は漂白作用があるので、洗剤にも使われているんだね」
「へぇー。分かりました。ありがとうございました。」
「え? それだけ?」
え? はい……
このやりとり、何が問題なのでしょうか?
間違いの選択肢は、宝の山
先ほどの会話の中で、「刺激のある特有のにおいがあり、色のついたものを脱色する」が塩素の性質だということが分かりました。これで1つ頭が良くなりました。でも、それで終わってはもったいないです。
彼女はこの問題、全然わからないと言っていましたね。では、ほかの選択肢も確認しておく必要があります。
「火のついた線香を入れると、線香が激しく燃える」→ これは酸素の性質です。酸素は物が燃えるのを助ける働きがあるのです。
「においはなく、石灰水を白くにごらせる」→ これは二酸化炭素の性質です。石灰水を白くにごらせるとくれば、二酸化炭素です。
「マッチの火を近づけると、音を出して燃える」→ これは水素の性質です。水素自体が燃えるので、爆発音がするのです。酸素と間違えやすいですが、音がするというところが、見分けるポイントですね。
ということで、選択肢4つそれぞれ確認しました。正解を確認するだけだと、覚えたことは1つですが、これだと4つ覚えたことになります。つまり4倍のスピードで頭が良くなりました。間違いの選択肢は宝の山です。これに気づかず、そのままにしている人のなんと多いことか。
正解を確認して終わりではなく、間違いの選択肢は何が違うのか、まで確認してみましょう。少しの手間で大きな利益を得ることができますよ。
問題文も宝の山
大戦は、ドイツを中心に有利に進みましたが、連合国も反撃し、長期化しました。また、戦争には毒ガスや戦車などの新兵器が使われるようになり、多くの犠牲者を出す戦いに発展しました。交戦国は、国力の全てを戦争にそそぐ総力戦になりました。
そして、1915年になると、国境地域の領土問題によって、イタリアは、オーストリアとの利害対立から、(1)イギリス、フランス、ロシアと秘密協定を結んで、ドイツとの同盟から離れました。これによって、ドイツは連合国から包囲される体制になりました。
もちろん正解は「4」です。ただ、それだけではなく、他の選択肢も確認して、それぞれどこの国(地域)の話かを確認しておくと、それだけ頭が良くなるというのは、先ほどの話の通りです。
さらに言えば、この問題を解くときに、本文をしっかり読んでいる人はいるでしょうか? おそらく、本文はほぼ読まずに、下線部だけ確認して、それで問題に取り組んでいると思います。
もちろん、テスト本番ではそのやり方でやるべきです。テストは時間との勝負ですから。しかし、練習の時は、本文にも目を通してもよいかと思います。あるいは、問題を解き終わった後に、本文をしっかり読み直す方がいいかもしれません。
そうすることによって、この問題に関しては、第一次世界大戦の理解がさらに深まります。1問解くだけで、選択肢の内容もそうですが、問題文まで勉強することができました。お得ですよね。
まとめ
ということで、「4倍のスピードで頭が良くなる勉強方法」を見ていきました。残念ながら、びっくりするような内容ではなかったと思います。普通の勉強方法でしたね。
しかし、ここまで丁寧にやっている人は、あまりいないような気もします。
特に選択肢は、出題者が頭をひねって考え出したものです。なぜ出題者はその選択肢をここに入れたのかという、その意図を考えるのもとても良い勉強になりますよ。
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