「得意教科を勉強したらいいか、苦手強化を勉強したらいいか、どちらがいいと思いますか?」という質問をされたことがあります。それぞれにメリット・デメリットがあります。それを踏まえて、どういう風に勉強をすればよいかを考えてみましょう。
得意教科を頑張るメリット・デメリット
「得意教科を頑張るぞ」と心に決めました。これの良いところは、得意教科なので、勉強していても、さほど苦にならないことです。すらすら解ける方が、やっていて面白いですものね。
しかし、これは裏を返せばデメリットにもなります。すらすら解けるということは、その内容はすでに理解しているということです。理解していることをやってもあまり意味はないですよね。時間をかけた分の成果が出るのかは疑問です。
具体的に言えば、90点だった科目を、めちゃくちゃ頑張っても、上昇の余地は10点しかないのです。頑張る意味がないとは言いませんが、効率だけで考えると、少しもったいないです。
苦手教科を頑張るメリット・デメリット
「苦手教科を頑張るぞ」と心に決めました。これの良いところは、上昇余地がたくさんあることです。40点だったなら、まだ60点分点数を上げることができます。
そして90点を100点にするより、40点を70点にする方が簡単です。なぜなら90点を100点にするには、応用問題も完璧にする必要があるのに対し、40点を70点にするには、基本の問題をしっかりできるようにすればいいからです。
とはいえ苦手教科ですから、その基本を理解することが難しいです。そしてなかなか気持ちが乗りません。苦手教科は、やっていてつらいです。これがデメリットでしょうか。
「得意」と「不得意」について
「得意」と「不得意」について、20年間無敗、伝説の雀鬼桜井章一さんが、「負けない技術」において、このようなことをおっしゃっています。
たいがいの人は、得意なものより不得意なものの方が多い。ということは、不得意の方がやることがたくさんある。私は根っからの “苦境好き” なので、断然不得意を克服するほうに引かれる。
分からなかった問題が、解けるようになったらうれしいですよね。苦手教科ということは、わからない問題がたくさんあるのだから、やることがたくさんあってうれしいな、という感覚でしょうか。こういう感覚を持つことができれば、苦手教科の勉強がはかどりますね。
また、こうもおっしゃっています。
不得意を克服しようとすると、そこに “工夫” も入ってくる。すると結果として、その工夫が得意なことをさらに伸ばしたりすることが実際によくある。
これは確かにあります。掛け算の九九を言うのに、何の工夫もいりません。それに対して難しい文章問題などは、頭をひねって考えますよね。「あーでもない、こーでもない」と考えたことが、ぐるっと回って別のところに生きてくるのです。
まとめ
「得意教科を頑張るべきか、苦手教科を頑張るべきか」
私の考えとしては、どちらも並行してやればいいのではないか、と思います。何事もバランスが大事です。肉を食べたたら、野菜も食べましょう、という感じです。
効率だけで考えると「苦手教科」を頑張ったほうがいいです。しかし精神的な負担は大きいです。ならば、苦手教科をやっていて、煮詰まったら、気分転換に得意教科を頑張ればいいじゃないでしょうか。そして調子が出てきたら、また苦手教科にも挑戦してみるのです。
小さいときに嫌いだったピーマンが、大きくなると食べられるようになっていた、みたいな経験ありますよね。同じように勉強していくうちに、苦手教科だと思っていたものが、実はそれほど苦手ではなかったと気づくことがあります。そうなればうれしいですね。
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