ヘボン式ローマ字には、注意すべきポイントがいくつかあります。今回はヘボン式ローマ字の中で、よく間違えるポイントである「ん」と「っ」の表し方について解説します。
ヘボン式ローマ字の「ん」の表し方
次の日本語をヘボン式ローマ字に直しなさい。
「新聞紙(しんぶんし)」

ヘボン式ローマ字ですね。大丈夫ですよ。練習しましたから。まずは「新聞紙(しんぶんし)」ですね。これは「シ」が si ではなく、shi になるのがポイントでしょ。

「シ」の部分はそれでいいのですが、その他の部分でミスがありますよ。正しくは、こうです。

どういうことですか? 「シンブンシ」で同じ「ン」なのに、前の「ン」は m で、後ろの「ン」は n になっているじゃないですか。

前の「ン」の次の音に注目してみましょう。「ブ」ですね。では「ブ」を口を閉じずに言えますか?

「ブ」を口を閉じずに言えばいいんですね。できるでしょ。「ウ~、ウ~、ウ~~」…… 言えないですね。

そうですね。「ブ」は口を閉じないと言えない音です。
口を閉じないと言えない音の前に来る「ン」は m になります
samma (サンマ) / tempura (テンプラ) / sembei (センベイ)

「マ」「プ」「ベ」… 確かに、口を閉じないと言えないですね。
ヘボン式ローマ字の「っ」の表し方 その1
次の日本語をヘボン式ローマ字に直しなさい。
「カッパ」

次は「カッパ」ですね。これは「ツ」が tu ではなく、tsu になるのがポイントですね。

違いますよ。「カツパ」じゃなくて、「カッパ」ですよ。河に出てくる妖怪のやつです。小さい「ッ」は、後ろの文字を1つ重ねてあらわします。ということは、正解はこうです。
ヘボン式ローマ字の「っ」の表し方 その2
次の日本語をヘボン式ローマ字に直しなさい。
「マッチ」

最後は「マッチ」ですか。小さい「ッ」ですね。もう大丈夫ですよ。「チ」が ti ではなく、chi になるのがポイントですね。それに、小さい「ッ」だから、後ろの字を重ねましたよ。

違います。この問題の正解はこうです。
後ろが ch で始まる音 (cha / chu / cho / chi ) の、小さい「ッ」は t であらわします。
matcha (抹茶・まっちゃ) / ketchaku (決着・けっちゃく) / sotchoku (率直・そっちょく)
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