勉強をしていて、いろいろな用語が出てきます。そういった用語をすぐに暗記する人がいます。彼らはどのようにしてそれらを暗記しているのでしょうか。実は発想を広げて、つながりを持って暗記しているのです。
彼らがどのように暗記しているのか、いくつか例を挙げながら、その発想に迫っていきましょう。
英単語の覚え方
「野球」を英語で書くと baseball です。これの覚え方は「バセバ11(じゅういち)」だそうです。最後の「ll」の部分を数字の「11」に置き換えるのがなかなか面白い。ですが、ここまでは、英語を無理やりローマ字読みする、よくあるやつです。ただその「11」の解釈がなかなかしゃれています。
野球は9人でします。あとは監督と、マネージャーで合計「11」人になります
だそうです。なるほどね。
あと、walk と work って紛らわしくありませんか? walk は「あるく」なので walk です。work は「お仕事」なので work です。
しかしこれは、発音で考えてしまうと「ウォーク」は walk、「ワァーク」は work となって、逆になりかねないので注意です。ただ発音と綴りが逆になるというのも、それはそれで一つの覚え方でしょうか。
示準化石の分類
理科で示準化石の化石の年代を答える問題があります。さて「フズリナ」「ビカリア」「アンモナイト」は、それぞれ「古生代」「中生代」「新生代」のどの時代でしょうか。
まず「フズリナ」です。フズリナの「フ」は「古い(ふるい)」の「ふ」です。ということで、フズリナは「古生代」です。
次は「ビカリア」です。ビカリアは「ピカピカ」に光っています。新品ですので、「新生代」です。大丈夫ですか? ついてきていますか?
最後は「アンモナイト」です。アンモナイトは「新生代」でも「古生代」でもどちらでもないです。ということで、残った「中生代」になります。
導管・師管の覚え方
理科の植物の分野で「導管(どうかん)」「師管(しかん)」があります。「導管」は根から吸い上げた水や栄養を運ぶ管のことです。水を運ぶので「水道管(すいどうかん)」と覚えます。
「師管」は葉で作られた栄養を運ぶ管です。葉(は)から歯(は)を連想し、そこから「歯間(しかん)ブラシ」と覚えます。
導管と師管を合わせて「維管束(いかんそく)」と呼びます。維管束は大切な用語なので覚えないといかんのです。
火成岩の分類
次は火成岩の分類です。
火山岩 | 流紋岩(りゅうもんがん) | 安山岩(あんざんがん) | 玄武岩(げんぶがん) |
深成岩 | 花崗岩(かこうがん) | 閃緑岩(せんりょくがん) | 斑レイ岩(はんれいがん) |
色・性質 | 白 | 黒 |
全部覚えようとすると少し大変ですね。そこで頭文字だけでも覚えようというということで、「リカちゃんあせってゲロはいた」というものがあります。左上から始まり左下に行き、中央上、中央下、右上、最後に右下で終わりです。
上の段は火山岩です。地表ちかく、または地上に出て、急速に冷えてできたものです。「地上」なので上の段にあります。下の段は深成岩です。地中深いところで、ゆっくりできたものです。「地下」でできるので、下の段にあります。
流紋岩と花崗岩の色は白です。リカちゃんは色白ですよね。それに対して玄武岩と斑レイ岩の色は黒です。ゲロはグロいですよね。グロいので黒(?)です。これで色も覚えられましたね。
まとめ
連想暗記法として例をいくつかあげさせていただきました。ポイントはイメージを大きく広げて、自由な発想で行うことです。決まりはありません。自分が覚えられさえすればいいので、少々つじつまが合わなくても構いません。
大切なことは、自分で考えることです。人に教えてもらっては、その効果は半減です。上記の覚え方もそれを確認して、「ふーん、なるほどね」だとあまり意味はありません。自分なりの見方、考え方に落とし込まないといけません。
生徒と話していて、「なんじゃ、その覚え方は⁉」ということはよくあります。でもそれでいいんです。「なんじゃそれは」ということは、それがその人のオリジナルです。
自分で工夫したことはいつまでも頭に残ります。出てきた用語をすぐに暗記できる人がしている連想暗記法、と紹介しましたが、実はあれこれと工夫しているから頭に残るというのが、連想暗記法の本質なのです。
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