問題を解いていて、文法的に変だと感じてしまう時がありませんか。そんな時は「省略」があるかもしれません。実は、時・譲歩・条件などの副詞節の中では「主語+be動詞」が省略されることがあります。
今回は、副詞節の中で「主語+be動詞」が省略されるパターンを解説します。
進行形に関する問題
I often study while ( ) to music.
1. listen / 2. hear / 3. listening / 4. hearing
( ) の後ろに to があるから、listen to music のパターンですよね。hear は違うよなぁ。で、前置詞の後ろは ~ing だから「3. listening」……あれ? while って前置詞じゃなくて、接続詞ですよね。じゃぁ、~ing は使えないのかな? といって listen には主語がいるし……
実はこれは「省略」があるんですよ。
うーん、この文は「私はよく音楽を聴きながら勉強する」という意味だよなぁ。音楽を聴く人と勉強する人は同じ「私」になる。ということは繰り返しを避けるために、「私」が省略されているんですね。
つまり、I が省略されていると考えて、「1. listen」ですかねぇ。
違います。ここで省略されているのは「主語+be動詞」なのです。
= I often study while I am listening to music.
私はよく音楽を聴きながら勉強をします。
はぁ、正解は「3. listening」なんですね。
「主語+be動詞」がセットで省略されていることがポイントですね。
では、次の問題に挑戦してみましょう。
受動態に関する問題
Some books, if ( ) carelessly, will do more harm than good.
1. read / 2. to read / 3. in reading / 4. reading
if だから「条件」をあらわす副詞節ですね。これも省略がありそうだ。「主語+be動詞」が省略されているなら、4. reading ですかねぇ。
違います。「主語+be動詞」が省略されているのは正しいのですが、be動詞のうしろは ~ing とは限らないでしょ。
そういえば、「be動詞+過去分詞」という受動態のパターンもありましたね。
= Some books, if they are read carelessly, will do more harm than good.
不注意に読むと、ためなるよりもむしろ害になる本があります。
ということで、正解は「1. read」です。
read は「現在形」と「過去・過去分詞形」で形が同じです。そこでひっかけるという、ちょっといやらしい問題でしたね。
コメントをどうぞ
分かり易く簡明な例、有難う御座いました。
小生、Japantimes Alphaを購読していますが、下記の例が有り、主節の主語と副詞節の主語が同じでなくても文脈上、副詞節の主語が何であるか明らかな場合には副詞節の主語とbe動詞を省略可能との趣旨のコメントがなされており、少し驚いています。但しコメント中では接続詞whileの場合と有りましたが、”時、条件、譲歩を表す接続詞、when, if等”でも同じことが言えるのかなあと考えていますが如何でしょうか?
正確な注釈は”接続詞whileには、主節の主語と共通の場合など、文脈上while節の主語が何であるか明らかな場合は、主語とbe動詞が省略できると言う用法がある”です。
若しご意見を頂ければ有難いです。
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おっしゃる通り、時、条件、譲歩を表す接続詞、when, if 等”でも同じことが言えます。
ご提示の例文では they are が省略されているかと思います。
STS’s career training program will allow people to learn new skills while (they are) continuing with their daytime job.
STSのキャリアトレーニングプログラムでは、(人々が)昼間の仕事を続けながら新しいスキルを学ぶことができます。
「世間一般の人々」をあらわす we / you / they が絡むと、省略されることが多いようですね。