「全部~でない」という否定文を、「全体否定」と言い、それに対して「全部~とは限らない」という否定文を、「部分否定」と言います。全体否定は not ~ either を使って表し、部分否定は not ~ both を使って表します。
それぞれの用法と違い、考え方について解説しています。
部分否定 not ~ both の表し方

部分否定の作り方は、次のようになります。全体をあらわす語の前に否定語がくるのですね。
not ~ both 「両方とも~とは限らない」(部分否定)
I do not like both of them.
私はそれらの両方とも好きというわけではない。

これはどう考えたらいいんだろう?

まず、何か物が二つあるとしましょう。それを好きかどうかを言うとき、「両方とも好き」「片方だけ好き」「両方とも好きではない」の3パターンがありますね。そのうち「両方とも好き」が否定されていると考えたらいいのです。

「both / 両方」という単語を否定しているってことですね。

そうです。あとは「否定語 → 全部をあらわす語」の順番になっている、ことがポイントです。
部分否定は「否定語 → 全部をあらわす語」の順番になっている。
全体否定 not ~ either の表し方

「両方とも~ではない」と全体否定をあらわすときは、こうなります。
not ~ either 「両方とも~ではない」(全体否定)
I do not like either of them.
私はそれらの両方とも好きではない。

これはどう考えたらいいんだろう? either は「どちらか一方」の意味ですよね。「どちらか一方を好きではない」なら、「もう一方は好き」ってことになるんじゃないの?

これは数学で考えたほうがいいかもしれませんね。一つ問題を出してみましょう。

1~10の数の中で、3の倍数は「3・6・9」。5の倍数は「5・10」。だからどちらか一方になる数字は、「3・5・6・9・10」です。

では、「どちらか一方」ではないのは?

「1・2・4・7・8」です。

同じように考えるとこうなります。
「Aが好き」もしくは「Bが好き」→否定→「AもBも好きではない」

うーん、なんかうまく言いくるめられたような気がするけれど、英語を話す人たちは実際にそういう発想をしているんですよね。

二つのものがあって、それぞれを指さしながら、「I don’t like either of them. / 私はどっちも(こちらも、こちらも)好きじゃないわ」と言っている様子を思い浮かべるとイメージしやすいんじゃないでしょうか。
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