for にはどのような用法があるのでしょうか。「目的」「期間」「判断の基準」「感情の対象」「宛先」「用途」「代用」「代償」の for や「例えば」の for example、「初めて」の for the first time の用法を解説します。
「~のための」と目的をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I want a soccer ball ( ) my birthday.
私は誕生日にサッカーボールが欲しい。

「誕生日に」ですか。こうかなぁ。

それだと「誕生日の日に」ですね。want は「~が欲しい」で、状態動詞です。状態動詞は自分の意志でオンとオフをコントロールできません。「誕生日の日だけサッカーボールが欲しい」なんて変ですよね。
これは「誕生日を祝うために」とか、「誕生日用の」といった「目的」をあらわす前置詞が入ります。
「~のための」と目的をあらわすとき for を使います。
「~の間」と期間をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I study English ( ) forty minutes every day.
私は毎日40分間英語を勉強します。

「間」ですね。こうかなぁ。

during は「~の間」ですが、後ろに名称を伴って使います。
I studied English during summer vacation.
私は夏休みに英語を勉強しました。

今回は( )の後ろに数値がありますね。数値を伴って「~間」と期間をあらわすときは for を使います。
「~間」と期間をあらわすときは for を使います。
「(人)にとっては」と判断や評価の基準をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
( ) beginners, passing the ball isn’t easy.
初心者にとって、ボールをパスするのは簡単ではない。

「~にとって」ですか。こうかなぁ。

handle ?…「取っ手」ですか。違いますよ。「~にとっては」と判断や評価の基準をあらわすときは for を使います。
「~にとっては」と判断や評価の基準をあらわすときは for を使います
「~を求めて」と目的・意向をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
A lot of Japanese people went to Brazil ( ) jobs.
多くの日本人は仕事を求めてブラジルに行きました。

「~を求めて」ですか。こうかなぁ。

want ? それだと文中に動詞が二つになりますよ。ここは前置詞が入ります。「~を求めて」と、目的や意向をあらわすとき for を使います。
「~を求めて」と、目的や意向をあらわすとき for を使います。
「~に対して」と感情の対象をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I’m sorry ( ) you.
お気の毒に思います。

「お気の毒」ですか。こうかなぁ。

「poison / 毒」? いや、「お気の毒」は「かわいそうに思う」ということです。感情・趣味・適性などの対象をあらわして「~に対して」というとき for を使います。
感情・趣味・適性などの対象をあらわして「~に対して」というとき for を使います。
「(人)への・あての」と宛先をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I bought a book ( ) you.
私はあなたに本を買いました。

「~に」ですか。こうかなぁ。

違います。ここは「~あての」ということで for を使います。
「~への・~あての」と受け取り予定者や宛先をあらわすには for を使います。
for と to の使い分け

to でもいい感じがするんですが。for と to はどうやって使い分けるのですか。

物(人)が目的地に到着していないなら for を使い、物(人)が目的地に到着しているなら to を使います。
I bought a book for you.
私はあなたに本を買いました。
I gave a book to you.
私はあなたに本を上げました。

bought の方は本が相手の手元にありません。ですが、gave の方は本が相手の手元にありますよね。
for は方向をあらわし、to は到着点をあらわします。
「~に適した、~にふさわしい」と用途をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
In Japan, “Mika” is a popular name ( ) girls.
日本では、「ミカ」は女の子に適した人気のある名前です。

「てきした」ですか。こうかなぁ。

enemy は「敵」です。「~に適した」は「~にふさわしい」という意味ですよ。「~に適した」と、用途・指定・適否をあらわすとき for を使います。
「~に適した」と、用途・指定・適否をあらわすとき for を使います。
「~の代わりに」と代用をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I’ll explain the situation ( ) you.
あなたの代わりに状況を説明します。

「~の代わりに」ですね。こうかなぁ。

instead of ~ で「~の代わりに、~ではなくて」です。「あなたの代わりに」と言いたいなら、instead of you と、前置詞の of が必要です。
今回は( )が一つしかありませんので、こうあらわします。
「~の代わりに」と代理・代用をあらわすとき for を使います。
「~の金額・値段で」と代償をあらわす for
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I bought a book ( ) five hundred yen.
私は500円で本を買いました。

「500円を使って」ですね。こうかなぁ。

with は「(道具)を使って」です。今回は「~の金額・値段で」ですから、こうあらわします。
「~の金額・値段で」と、交換・代償をあらわすとき for を使います。
「例えば」の for example
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
( ) ( ), I can speak English.
例えば、私は英語を話せます。

「例えば」ですね。こうかなぁ。

such as ~ は「~のような・~などの」と例を挙げるときに使います。such as の後ろには名詞を並べることに注意です。
I like fruits such as oranges and apples.
私はオレンジやリンゴなどの果物が好きです。

今回は( )の後ろに文章が続いていますので、such as は使えません。ということで、正解はこうなります。
「例えば~」と語句や文を例示するときは for example を使います。
「初めて」の for the first time
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I read the book ( ) ( ) ( ) ( ).
私はその本を初めて読みました。

「初めて」ですか。うーん…こうかなぁ。

それだとローマ字を当てはめただけじゃないですか。「初めて」は決まり文句として覚えておくのがいいですね。正解はこうです。
「初めて」は for the first time を使います。
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