高校受験で作文課題が出題されることがあります。それについてどうやって書けばいいですか、という質問が多いです。今回は「高校受験の作文課題の書き方」をテーマに考えてみましょう。
どういうテーマが多いのか
まず高校受験の作文課題で、どういうテーマが出されてきたのか、ざっと紹介します。
- 高校生活で実現したいこと
- 自分の理想の高校生像とそれに近づくために何をしたらいいか
- 一生懸命がんばることについて
- 「自然」か「感動」のどちらかを使って書きなさい
- 高校生活での目標と将来の夢
- 今までに努力したことと、高校生活でどのように続けたいか
- 高校生にとって大切なこと
- 高校で成長するために必要な力
- 「あきらめない」について自分の体験や経験を踏まえて書きなさい
- 自分が好きな漢字とその理由
- 日々の生活の中で大切にしていること
- 出会い
- 高校生活の目標
- 心に響く言葉
- 文武両道
- 過去に学び未来を見る
- 知恵と知識について
- 「約束」「勇気」「努力」のいずれかを使って書きなさい。
- 人間はなぜ勉強する必要があるか
課題のテーマは「高校でどのようなことを学びたいのか」「高校で何にチャレンジしたいのか」などのように、入学後の目標が課題になっていることが多いです。専門学科ではその学科に関する内容になることも多いです。
評価の観点は何か
作文課題は、どのように評価されるのでしょうか?
まず「課題内容と作文の内容に、整合性があるかどうか」が見られます。テーマと関係ない話を書いていると、それはもちろん減点です。
「文字数が十分か」も見られます。指定文字数の8割が目安と言われています。指定が400字なら、320字以上は書いておいた方が無難です。
「誤字脱字がないかどうか」も評価されます。これは当然ですね。あと細かいところでは、「です・ます」「だ・である」といった文末表現をそろえることです。どちらがいいとかはありませんが、無難に「です・ます」でそろえておいた方が書きやすいと思います。
中学で何をしてきたか
さて問題の「何を書けばよいのか」ということです。テーマを見てから考えるという人がいるかもしれませんが、それではダメです。内容はあらかじめ考えておかなくてはいけません。過去問を確認すると、その傾向がつかめることがあります。
先程も触れましたが、専門学科ではその学科に関する内容になることも多いです。その場合は、テーマが予想しやすいので、あらかじめ準備をしておくことができますね。学校や塾の先生と相談しておきましょう。
普通学科の場合、「入学後の目標」が課題になっていることが多いです。ふわっとした抽象的なテーマなこともあります。ですが、その場合も内容はあらかじめ準備しておきます。
高校の先生たちは、皆さんがどういう人なのかが知りたいのです。なので中学でどういう体験をして、どう感じたのか、どう考えたのかに興味があります。それを書いてあげましょう。
その内容を、最初から考えないといけないのかと思うと、少し憂鬱ですね。ですが、その内容は実はもうすでに出来上がっています。
みなさんもう既に、卒業文集にのせる作文を書いたと思います。多くの人はクラブ活動の思い出を書いたのではないでしょうか。あるいは修学旅行や文化祭の思い出を書いた人もいたかもしれません。中には勉強を頑張ったことを書いた人がいるかもしれませんね。
実はそれが、高校の作文課題の内容の一つになるのです。卒業文集の内容を思い出しながら書けばよいです。
テーマにどう合わせるか
とはいえ課題にはテーマがあります。テーマは高校の目標的なものが多いと最初にありました。しかし、そうでないこともあります。例えば「自然」というテーマと、「勇気」というテーマでは、書く内容が変わってくるようにも感じます。
先ほど評価の観点として、「課題内容と作文の内容に整合性があるかどうか」というものもありました。ですが実際は、中学時代のエピソードでそのテーマに寄せておけば良いのです。
例えば中学時代のクラブの話をエピソードとして入れようとするなら、このようにすればよいです。
「自然」という言葉で思い出すのは、クラブの顧問の先生がおっしゃっていた「自然体で臨め」という言葉です。・・・試合で緊張してしてしまいましたが「自然体」でやることを思い出して頑張りました・・・
「勇気」というテーマだとこうなるかもしれません。
「勇気」という言葉で思い出すのは、夏の大会のことです。・・・試合で弱気になりかけましたが、「勇気」を出して攻めた結果、勝つことができました・・・
そうなれば、なんだってできますよね。「冬」がテーマだとしても、「冬の大会で…」とすればいいです。「勉強」がテーマだとしても、「勉強とクラブの両立で苦労したけれど…」という感じで行けるでしょう。
あとエピソードですが、ばれるような嘘はダメですが、多少の創作は大丈夫です。つまり、負けたのに「大会で優勝した」というのはダメですが、ぼろ負けだったとしても、「いい試合ができた」というのは大丈夫です。むしろ前向きに書いていきましょう。
高校での目標
中学の思い出をテーマに絡めて書くことができれば、後は高校での目標を書きましょう。「目標」と書きましたが、それほどたいそうなことではなく、こうなったらいいなぁ、という程度で大丈夫です。テーマに絡めることができたらなおいいです。
先ほど書いた中学でのエピソード。その多くは楽しかったことや、うれしかったことでしょう。であれば、高校でも同じような経験をしたいはずです。
もちろんその経験は全く同じにはなりません。中学でやっていたクラブ活動は、高校ではやらないかもしれません。また同じ種目のクラブであっても、舞台が違います。中学よりももう1段階上のステージになるのです。
例えばこうなるでしょう。「中学のクラブでは優勝を目標に頑張りましたが、薬剤師という将来の夢に向けて、高校では勉強を頑張りたいです」「中学校ではいい試合ができたことで満足でしたが、高校では結果にもこだわりたいです」などなど。
まとめ
作文課題の書き方について書いてみました。
中学時代のエピソードと、それに対して感じたこと。それを踏まえて、高校ではどうなりたいか。あるいは何がしたいのか。これらが書ければばっちりです。
作文課題の練習は特に必要はありません。パターンを一つ作っておけば、それで大丈夫です。それよりも受験前は、教科の学習に集中してください。受験直前が一番学力がつく時期です。
コメントをどうぞ