図表読解というのは、図表がある長文問題です。図表とくれば普通「数学」ですけれど、英語の問題にもよく出てきます。どのようにして解けばよいのか、一緒に考えてみましょう。
英語も嫌なのに、数学なんて……
心配しなくてもいいですよ。この図表読解形式の問題で、注意するべきなのはただひとつ。
これだけで正解を導き出せる図表読解の問題がたくさんあります。
逆に言うと図表が完成してしまえば、すぐに問題解答に入りましょう。それ以上本文を読む必要は、あまりありません。
図表を完成させるといいのは分かったけど、どうやって完成させたらいいの? ところどころ英文の意味が分からなくなって、図表の完成しない部分ができてしまうんですよ。
英文が分からなくても、図表を埋めることはできるよ。
えっ、どうやって?
図表読解の多くは、論説文を題材にした長文読解です。そして本文に関連した図表が示されます。当然それらは事実に基づいたものです。つまりこういうことです。
どういうこと?
では実際にやってみましょう。
この図表は「海外観光旅行の国別収支」を表したものです。黒が収入で、ねずみ色が支出です。X Y Z が「中国」「ドイツ」「スペイン」のいずれかです。さぁ、どれがどの国でしょう?
X は収入が多いということは、観光客が多いってことだよね。逆に Y は支出が多いので、海外旅行する人が多いってことだね。
海外旅行をするくらいお金持ちが多そうな国は、この中だとドイツかなぁ。Y がドイツだね。
そうですね。次は観光客が多い X が「中国」か「スペイン」かですね。
うーん、ぼくが海外旅行に行くなら、中国かなぁ。万里の長城に行ってみたいなぁ。でもスペインも捨てがたい。フラメンコとか闘牛士とかも見てみたいなぁ。迷うなぁ。
君の意見は置いといて、「中国」と「スペイン」で、どちらの観光客が多いかを考えてね。
中国はお隣さんだから、スペインより行きやすそうだなぁ。ん……でもこの図表は日本じゃなくて世界で考えないといけないよね。
そうですね。上の図表では、「アメリカ」や「ドイツ」で海外旅行をする人が多いですよね。その人たちが海外旅行する国はどこかなのか、と考えると、どうだろう?
ならスペインの方が多そうですね。中国は少し遠いし、言葉や文化がまったく違うので、行きづらいイメージがあるかも…… X がスペインですね。で、残った Z が中国です。
これで図表が埋まりましたね。これは実は2005年のセンター試験の問題なのです。
えっ、そうなの! 本文を読まなくても、図表が埋まりましたね。
本文を読まなくてできることもありますが、そのかわりに、世界の流れをしっかりとよまないといけないよ。世の中の常識は、時とともに変わりますからね。
コメントをどうぞ