問題集などでもありますが「次の英文を、日本語訳をしなさい」という形式。テストの問題としてはいいと思いますが、練習問題としてはどうなのでしょう?
英語の勉強で、日本語を書いて意味があるのか? ということについて、書いてみます。
日本語訳を書くことに意味はない
ある教材があります。その教材は見開き2ページで、セットとなっています。左側のページには、英文が箇条書きで書いてあります。それぞれの英文の下には、文字が書き込めるように、スペースがあります。
右側のページには、日本語の文が、箇条書きで書いてあります。同じようにその下に、文字が書き込めるように、スペースがあります。
左のページと、右のページは対応しています。つまり左の英文の意味が分からなければ、右を見ればわかるし、右の日本語の文を英作するのに、わからなければ、左を見ればよいのです。
具体的にいえば、このようなものです。
1. This is called an onigiri.
2. An onigiri is made of rice.
3. What is this desk made of?
1. これはおにぎりと呼ばれています。
2. おにぎりは米でつくられます。
3. この机は何でできていますか。
さてこのようなものを渡されて、「さぁ、やりなさい」と言われたら、どうするでしょうか? 普通は右側に日本語訳を書いて、左側に英作をしようとするでしょう。この本もそれを想定して作られていると思います。
そこで、疑問です。日本語訳を書くことって、英語の勉強にとって意味があるのでしょうか?
英文を見て、どういう意味なのか日本語で考えることは、意味があると思います。(英語を英語のまま理解するのが、一番いいというのはもちろんですが)
しかし、そんなことは、頭の中ですればいいことです。わざわざ文字にして書くことは、英語学習において意味がありません。それはむしろ日本語の勉強です。漢字やひらがなの勉強です。
どの様にすればよいか
そこで私はこの教材をやらせるときは、このようにさせています。
まず左側の英文を、そのまま下に写す。そのとき声に出しながらやりましょう。そして写しながら、どういう意味になるのかを頭で考えます。意味が分からなければ、右側を見て確認します。
英語を書いてみて、しっくりこなければ、別の紙に何回か練習するのもいいです。
それを続けながら、左側のページをやり切ります。
次は右側のページです。こちらはテストだと思ってやります。日本語を見て、それを英語に直します。まずは分かるものだけ、ザーッと書いていきます。
先ほど左側のページで英語を練習したので、できるものも結構あるはずです。もし全然できないようであれば、それは左側での練習が甘いということです。
一通りやりましたら、左側のページを見ながら丸つけです。間違えたものについては、練習しておきましょう。
このような感じでやらせています。
教科書の日本語訳を書くという宿題
先ほどは特定の教材についての話でしたが、同じような話は他にもあります。
学校の宿題でも、「教科書の本文をノート左ページに写して、訳を右側のページに書きなさい」というものが、出されています。
英語学習という面だけで見れば、訳を文字として書くことに意味はありません。「きちんと訳せるようにしておきましょう」で、良いはずです。
もちろん訳を書かせるのは、いろいろな考えがあってのことだと思います。「訳せるようにしておきなさい」だと、やらない人が出てきます。実際に書かさないと、その確認ができないということもあるでしょう。ただ、これは先生の都合ですね。
まとめ
英語学習において、日本語を書くことに意味はありません。英語を読む、実際に口に出して発音する、そして英語を書く。これが英語の実力を上げる方法です。
ただ、宿題で教科書の日本語訳をするのは、仕方ありませんので、ちゃんとやりましょう。一番意味がないのは、友達の訳を見せてもらって、写すことです。これをやっても「英語の勉強を頑張ったなぁ」とはなりませんよね。
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