問1
問題 次の会話は、アメリカのある高校でカリキュラムを見直すにあたり、教師たちが外国語教育について議論している場面の一部である。( )に入れるのに最も適当なものを、それぞれ1~4のうちから1つずつ選べ。
Ted : For the past 20 years our school has been offering French and Spanish. However, times have changed and perhaps we should reevaluate the needs of our students. I’ve heard some suggest that native English speakers don’t need to study a foreign language because English has become a global language.
Jennifer : Well, with the globalization of many businesses, knowing a foreign language has become increasingly useful in the workplace. In business situations, when you’re negotiating with people from other countries, it’s obviously a disadvantage if they know your language but you don’t know theirs. Also, by studying a foreign language, students can learn about various customs and cultural values of people from different parts of the world. This can smooth business relationships.
Ted : So, Jennifer, I guess you’re saying that ( ).
1. English is the most common language in the business world
2. it’s a disadvantage to use a foreign language in business
3. knowing a foreign language can have a practical, career-related benefit
4. studying business skills contributes to foreign language learning
【解説】
去年は第3問Bに出題されていました「要約」問題ですが、今年は第3問Cに移動になりました。形式はまったく同じですね。Ted の発言である
「それじゃ、ジェニファー、君は ( ) ということを言っているんじゃないかな」
の、( ) の部分に入る語句を選択肢から選ぶのです。
最初の Ted の発言はさらっと流す程度でよいです。簡単に言うと「英語は国際語なので、フランス語とかスペイン語とか勉強しなくてもいいんじゃないのですか? 何か意見ありますか?」という話ですね。
それを踏まえて Jennifer の発言があります。この内容の要約を選択肢から選ぶのです。論説文でもそうですが、話者 (筆者) の意見は最初にあることが多いです。それを確認してみましょう。
「ええっと、多くのビジネスのグローバル化で、外国語を知ることは仕事場でますます役立つようになりました」
どうやら Jennifer は「外国語を勉強すべき」だと考えているようですね。
では選択肢を見てみましょう。
1. English is the most common language in the business world
「英語はビジネス界で最も共通の言語だ」
2. it’s a disadvantage to use a foreign language in business
「ビジネスで外国語を使うことは不利益だ」
3. knowing a foreign language can have a practical, career-related benefit
「外国語を知ることには実際的な、仕事に関連した利益があるかもしれません」
4. studying business skills contributes to foreign language learning
「ビジネススキルを研究することは外国語学習に寄与する」
選択肢 1. と 2. は「外国語を勉強する必要はない」という意見ですね。これは Jennifer の発言の第一文に反します。ここで「アレ?」と思った人がいるかもしれません。1. は「英語は共通語だから、勉強しなくてはいけない」という内容じゃないのですか? という疑問が浮かんだ人です。
そういう人は落ち着いて、問題の最初の日本文をもう一度読み直しましょう。「アメリカのある高校で」とありますよね。
つまり英語を母国語としている人が外国語 (フランス語やスペイン語など) を勉強すべきかどうかという話です。ですから 1. の内容は「英語が共通語だから、外国語を勉強しなくてもいいよね」と言う意味になるのです。
選択肢 3. と 4. はどちらも「外国語を勉強すべき」という意見のようだ・・・と思わせておいて、4. は何か変ですね。「ビジネススキルを研究することは外国語学習に寄与する」ということは、「外国語学習」が大切ではなく、「ビジネススキルを研究すること」が大切だという話になりますね。
それに対して選択肢 3. の「外国語を知ることには実際的な、仕事に関連した利益があるかもしれません」は Jennifer の最初の発言とほぼ同じですね。よって正解は 3. となります。
【正解】3
問2
問題 次の会話は、アメリカのある高校でカリキュラムを見直すにあたり、教師たちが外国語教育について議論している場面の一部である。( )に入れるのに最も適当なものを、それぞれ1~4のうちから1つずつ選べ。
David : I agree with Jennifer, and I suggest that we offer Chinese classes. China is a fast-growing economy and in the future it will become the world’s biggest. Also, I believe there are more native speakers of Chinese than of any other language. Perhaps along with French and Spanish, we should offer Chinese.
Maria : I understand what you’re saying, but in order to be well-informed about China, one should be able to read Chinese, which would involve years of study to learn at least 3,000 to 4,000 characters. I think continuing to offer French and Spanish is still more practical. Because these languages are somehow related to English, there are many words that have the same origin, and this makes the language learning process less difficult.
Ted : So, Maria, your idea is that ( ).
1. a native English speaker may find it easier to learn French and Spanish
2. Chinese would be most useful because China is a fast-growing economy
3. it would be useful to learn Chinese because China has the greatest number people
4. knowing French or Spanish could make it easier to learn European languages
【解説】
今回の問題は Maria の言いたいことが何かを、選択肢から選ぶ問題ですね。
話者の一番言いたいことは、最初の発言にあることが多いです。まずは David の第一発言から確認してみましょう。
「私はジェニファーに賛成です。また私は我々が中国語のクラスをすることを提案します」
それに対して Maria の第一発言ですが、これは少し長いので区切って見ていきましょう。
「あなたが言っていることはわかります」
これは大丈夫ですね。関係代名詞の what です。
「しかし中国をよく知るためには、中国語を読むことができるべきです」
逆接の接続詞である but が出てきました。逆接の接続詞の後には、話者の主張がくることが多いです。この部分までなら Maria は中国語を勉強することに賛成のように感じます。でもそれなら but とはならないはずですよね。続きを見てみましょう。
「それには少なくとも3,000~4,000文字を習得するために、数年の学習が含まれるでしょう」
, which は関係代名詞の非制限用法(継続用法)です。その用法として前文の一部分、もしくは前文そのものを先行詞とするするものがあります。今回もそのパターンです。中国語を読むことができるようになるためには、数年かかるということですね。
少し長かったですが、これで Maria の第一発言を確認しました。どうやら Maria は手間と時間がかかりすぎるので、中国語を勉強することに反対のようです。
それを踏まえて選択肢を確認してみましょう。
1. a native English speaker may find it easier to learn French and Spanish
「英語のネイティブスピーカーは、フランス語やスペイン語を学習することはより簡単だと感じるかもしれません」
it は形式目的語で to 以下の内容を指します。
2. Chinese would be most useful because China is a fast-growing economy
「中国が急速に経済成長しているので、中国語はとても有用でしょう」
3. it would be useful to learn Chinese because China has the greatest number people
「中国には最も大きな数の人々がいるので、中国語を学習することは有用でしょう」
4. knowing French or Spanish could make it easier to learn European languages
「フランス語かスペイン語を知ることで、ヨーロッパ言語の学習をより簡単にできるでしょう」
it は形式目的語で to 以下の内容を指します。これ先ほども出てきましたね。
選択肢 2. と 3. は中国語を勉強すべきだと言っています。これは David の意見であって、Maria の意見ではありませんね。Maria は中国語を勉強するのは反対でした。残る 1. と 4. ですが、今までの情報だけでは絞り込むことはできません。もう少し Maria の発言を見ていきましょう。
「フランス語とスペイン語を続けることは、今でもさらに実際的だと思います」
I think も話者の主張のキーワードです。Maria はフランス語とスペイン語を続けるべきだと考えているのですね。more practical とありますが、これは中国語を勉強するよりも実際的と、than offer Chinese が省略されていると考えるとよいです。
しかし、まだこの時点でも選択肢 1. と 4. を絞ることはできません。ですが、Maria の発言の続きに Because とあります。フランス語とスペイン語を続けるべきという理由が語られるわけですね。これを読めば選択肢を絞ることができそうです。
「なぜならこれらの言語は英語となぜか関係があるからです」
somehow は「なんとなく / 不思議と」という意味ですが、分からなかったら飛ばしてもらってまったく問題ありません。
これでようやく選択肢を絞ることができます。選択肢 4. は、フランス語、スペイン語を勉強するとで、他のヨーロッパ言語 (たとえばドイツ語やイタリア語など) が勉強しやすくなりますよね、という内容でした。しかし Maria が言っているのは、英語とフランス語・スペイン語が関係しているということです。
さらに Maria の発言の続きを見てみると、
「同じ起源を持つ多くの言葉があります。そしてこれのおかげで言語を学ぶプロセスは、困難でなくなります」
これは選択肢 1. の「英語を母国語としているなら、フランス語・スペイン語の勉強が簡単だ」という内容と同じですよね。よって選択肢 1. が正解と分かります。
【正解】1
問3
Leslie : Well, I’m not sure which foreign language would be most valuable to our students. However, studying a foreign language can help students become aware of their own language and culture. Most of us use our native language without thinking deeply, and we make many cultural assumptions. But most importantly, through learning a foreign language, we’re better able to look at something from various perspectives.
Ted : Leslie, that’s a very interesting point. You’re saying the biggest advantage of foreign language study is that it can increase students’ ( ).
1. ability to consider things from different points of view
2. desire to understand their own language and culture
3. knowledge of other language structures and cultures
4. opportunities to be successful in global business
【解説】
「外国語の勉強の最も大きな利点は、生徒の ( ) を増加できることだと、あなたはおっしゃっているのですね」
この ( ) に何が入るのかという問題です。
Leslie の第一発言を確認してみましょう。
「えっと、私はどの外国語が私たちの学生にとって、最も価値があるのか分かりません」
これは話者の主張とは言えないですね。
するとその次の語が However となっています。逆接の接続副詞ですね。逆接の語はその後ろに話者の主張があることが多いです。つまりこの However を含む文は重要ということです。
「しかしながら、外国語の勉強は学生が自分の言語、および文化を知るようになるのを助けるかもしれません」
さらに読み進めていくと But most importantly とあります。逆接の接続詞に加えて、「最も重要なことには」とあります。ということはこれを含む文も (むしろ言葉通り一番) 重要と予想できますね。
「しかし最も重要なのは、外国語の学習によって私たちは、さまざまな観点から何かをいっそうよく見ることができるということです」
それを踏まえて選択肢を確認してみましょう。
1. ability to consider things from different points of view
「異なる視点から見て事態を考慮する能力」
2. desire to understand their own language and culture
「自分の言語および文化を理解することの望み」
3. knowledge of other language structures and cultures
「他の言語構造および文化についての知識」
4. opportunities to be successful in global business
「グローバル企業で成功する機会」
But most importantly を含む文の内容から考えると、正解は 1. ですね。However の文だけで考えると2を選んでしまいそうになるかもしれませんが、それにしても「desire
/ 望み」というのは変ですからダメです。
第一文に話者の主張があるのが多いですが、もちろんそのパターンだけではありません。今回のように逆接の語や most importantly と言った語、また should や must などの助動詞に注目すると、話者の主張が見つけやすくなります。
【正解】1
Ted : I appreciate getting all your ideas. Perhaps we should prepare a questionnaire for our students and try to get a sense of interests and future goals.
問題文にはこのような続きがありますが、読む必要はありません・・・
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