場所をあらわす前置詞にはたくさん種類があります。「atと in」の違いはどうなるのでしょうか。「on と over と above」「under と below」「between と among」「by と near と around」「to と into と for と toward」「through と along と across」 の違いはどうなるのでしょうか。場所をあらわす前置詞の使い分けを解説します。
at と in の区別
場所をあらわす前置詞で、よく使われるのは以下のとおりです。それぞれ例文を使いながら確認していきましょう。
at~ / 狭い場所をあらわす
私は彼に駅で会いました。
in~ / 広い場所をあらわす
私は東京に住んでいます。
in が広くて at が狭いのは、時をあらわすときと同じですね。
on と over と above の区別
on~ / (接して)~の上に
テーブルの上の本は私のものです。
over~ / ~の上に
トラックが私たちの犬をひいた。
above~ / ~の上方に
鳥が木の上を飛んでいます。
on は本当は「~の上」じゃないんだよ。くっついているという意味。だから壁に絵がかかっているというときも on the wall というんです。
over には覆っているイメージがあるので、上を通り過ぎる感じがあります。それに対して above は単に「上の方」という位置関係をあらわしている感じです。
under と below の区別
under~ / ~の下に
机の下にネコがいます。
below~ / ~の下方に
太陽は水平線の下に沈んだ。
over と above の関係と同じような感じですね。under は覆われている感じがあります。
between と among の区別
between~ / (2つのものの) 間に
2つの公園の間に川があります。
among~ / (3つ以上のものの) 間に
木々の間に家が見えます。
between は between A and B の形で使われることが良くありますね。
by と near と around の区別
by~ / ~のそばに
私の家はその川のそばにあります。
near~ / ~の近くに
私は学校の近くに住んでいます。
around~ / ~のあたりに
私はこのあたりで買い物をしたいです。
by は「そば」ですから、すぐ横にいる感じです。だから変な言い方ですが、by は near より「近い」です。
near は線で考えて近い。around は円を描いてその範囲内みたいな感じですね。
to と into と for と toward の区別
to~ / ~へ
駅への道を教えてくれませんか。
into~ / ~の中へ
何人かの少年が教室に入ってきました。
for~ / ~へ向かって
彼は飛行機でアメリカに向かって出発しました。
toward~ / ~の方へ
彼はドアの方へ歩きました。
to は到達も含んでいるんだね。「家に帰るまでが遠足です」みたいなものかな。into はそれに in のイメージを加えていますから、中に入り込む感じですね。
forward は単に方向を表しています。だからそこが目的地とは限りません。それに対して for も方向ですが、こちらは目的地を表しています。
through と along と across の区別
through~ / ~を通って
私たちはその森を通っていくつもりです。
along~ / ~に沿って
桜の木が川に沿って植えられています。
across~ / ~を横切って
若い人が通りを横切っています。
through はトンネルを通り抜けるイメージです。along は線があってそれに沿うイメージです。三次元と一次元の違いみたいな感じかな。
となると across は二次元かな。漢字でいうと「十」ですね。
その他の場所をあらわす前置詞
behind~ / ~のうしろに
後ろのドアを閉めてください。
behind の反対語は in front of ですね。
from~ / ~から
彼は東京からちょうど帰ってきたところです。
from は出発点を表しています。だから「from A to B / AからBまで」というように、到着地点をあらわす to と一緒に使うこともよくあります。
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