夏休みが終わると、受験の意識が周囲に高まっているのを感じますよね。
夏休み中にオープンキャンパスや、学校説明会などに参加した人も多いでしょう。その結果、志望校が確定した人や、あるいは志望校の候補が絞れてきた人が出てきます。そんな中で、受験というものが遠い未来の出来事ではなく、もっと身近なものに感じられてくるのです。
さて、受験が自分事として感じられるようになったら、次はそれに向けてどう勉強していくかです。「受験勉強」とは言いますが、具体的には何をすればいいのでしょうか。
実力テストに向けて頑張る
「さぁ、受験勉強だ!」とテンションが上がって、分厚い参考書や問題集を購入しだす人がいます。最難関校向けのトップレベル問題集を購入して、一問一問質問に来る生徒がいました。
「その問題は、まだ学校で習っていない単元の内容を含むから、後回しにした方がいいよ」というと、「いや、一応説明してください」と返ってきます。やる気のあるのはいいことですが、受験勉強の手順としては、効率がよくありません。また今からその調子だと、どこかで息切れしてしまいますよ。
受験勉強をするぞ、という気持ちはいいです。ですが、まずはいったん落ち着いて、周りの状況に合わせましょう。多くの学校では夏休み明けから、実力テストやそれに相当するテストが複数回実施されます。それに向けて勉強をするのがオススメです。
実力テストの何がいいかというと、まだ学校で習っていない単元が出題されないという点です。なので実力テストに向けて勉強をすると、それがそのまま今までの復習になるのです。
実力テストの過去問が手に入るなら、それに取り組むのがいいです。実力テストの範囲は今まで習ったところから、広範囲で出題されます。過去問をやって間違えたところを、教科書や参考書で確認します。昔やったことなので忘れていることも多いでしょう。見直しは「こんなこと、習ったなぁ。懐かしいなぁ」というくらいで大丈夫です。
そうやって過去の記憶を掘り返していきます。これがとても大切です。掘り返された過去の記憶は、長期記憶となって脳に刻まれます。受験において、勝負はこの長期記憶の量です。
模擬テストを受験する
また夏休み明けからは、外部の模擬テストを受験するのもおすすめです。実際に電車などを使って、会場でテストを受けると、いつもと違う感覚になります。これが受験本番の雰囲気です。
これを早めに体験しておくと、受験の意識がさらに高まります。また場慣れにもなりますので、受験本番で緊張が和らぐかもしれません。
模擬テストの一番のメリットは、自分の弱点があらわになることです。テストの後、数週間すると、結果がデータとして返ってきます。他の人が正解しているのに、自分は間違えてしまった問題が、そのデータには記されているはずです。これが弱点です。
その弱点問題を、もう一度やり直しましょう。そして解答・解説と照らし合わせます。理解できなければ、先生か誰かに質問して解決します。これをするだけで、実力は飛躍的に伸びます。弱点が克服されるのですから、当たり前ですね。
模擬テストには合否判定があり、そこに目を奪われがちです。ですが、むしろそれはおまけと考えるのがいいです。とはいっても、気にはなりますけれどね。
入試問題に取り組む
受験勉強と言えば、入試問題に取り組むことだと考える人もいるでしょう。これはある意味正しいです。ですが、夏休み明けの受験勉強と考えると、少しばかり時期尚早です。まだ学校で習っていない単元があるからです。
とはいえ、絶対に入試問題をしてはいけないというわけではありません。わからない問題を先生に質問して「まだ学校で習っていないから、その問題は後回しにしておいた方がいいよ」と言われた時、割り切ってそれに従えるなら、入試問題は有用です。
自分の受験するであろう学校の入試問題なら、他の問題を解くよりやる気がアップしますよね。また、どうせ受験するまでには、入試問題は過去五年間を最低3周する必要があります。個人的には入試問題は、10月中旬~11月前半から始めるくらいでいいと思います。しかし、早めにスタートして、周回を増やすのも悪くありません。
薄い問題集に取り組む
入試問題の前にしておくおすすめは、薄い問題集です。理科・社会は一問一答形式の問題集があります。これを複数回繰り返して、頭に叩き込みます。これだけで全然違いますよ。
数学は入試問題の第一問に出題されるような、計算問題を集めた問題集があります。はぎ取りテスト形式のものがおすすめです。勉強前のウォーミングアップ的に使うのがいいですね。
英語は少し短めの長文問題集がおすすめです。入試英語の一番のポイントは長文です。実際落ち着いて一文一文読んでいけば、それほど難しくはないのに、多くの人は見た目で負けてしまうのです。その苦手意識を払しょくするために、この時期から少し短めの長文を読んで、長文という形式に慣れておくのがよいでしょう。
ここで大切なのは、薄い問題集ということです。分厚い問題集を買う必要はありません。分厚い問題集は、入試過去問で十分です。夏休み明けは薄い問題集で、受験勉強の練習をして、それが一通り終われば、入試過去問で、本格的に受験勉強のスタートという感じでしょうか。
まとめ
「受験勉強って何をすればいいの?」というテーマで思うところを書いてみました。
まずは用意されている実力テストや模擬テストに向けて、前向きに取り組もうということです。そのうえで余裕があれば、薄い問題集に挑戦し、その後、入試過去問に挑戦です。
とはいえ、実際はその間に定期テストもありますし、人によっては英検や漢検を受ける人もいるでしょう。かなりバタバタします。あれよあれよという間に、受験まで数か月となります。
人生の中で本気で勉強する時期なんて、そうありません。そのうちの一つがこの受験です。不安に思う人もいるでしょうが、むしろ受験勉強を楽しむくらいで、丁度いいんじゃないでしょうか。
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