all にはいろいろな用法があります。どういった用法があり、どのように使われるのでしょうか。「副詞の all」「形容詞の all」「同格の all」「関係詞節をともなう all」の用法や、「世界中」「一年中」の言い方を解説します。
副詞の all「まったく・すっかり」
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
He is ( ) wrong.
彼はまったく間違っている

「まったく」? 「完全に間違っている」ということだよね。

perfectly の「完全に」は「申し分なく」という意味なので、今回の文とはかみ合わないですね。正解は all をつかって、こうなります。
all は副詞で使って、「まったく・すっかり」の意味になります。
「少しも~ではない」
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I do not like natto ( ) ( ).
私は納豆が少しも好きではありません。

「少しも」ですか。こうかなぁ。

それだと「少しだけ嫌い」みたいな感じになるよ。「少しも好きじゃない」だから、こうなりますね。
not ~ at all で「少しも~ではない」の意味になります。
形容詞の all「すべての~」
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
The sound moved the hearts of ( ) the people of Mongolia.
その音はモンゴルのすべての人々の心を動かしました。

「すべての」ですよね。こうかなあ。

違います。ここは形容詞の all を使ってこうなります。

all を使うのはいいんですが、形容詞なら、all と the の位置関係がおかしくありませんか?

これはもともと「代名詞」の all を使った「all of the people / その人々全員」があって、その of が省略された形なのです。その結果「その人々全員」→「全員の人々」ととらえられるようになり、all は形容詞の扱いになったのです。
「all the people / すべての人々」の語順に注意しよう。
主語・目的語の同格に用いる all「全て・みんな」
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
We ( ) helped.
私たちみんなが手伝いました。

「みんな」ですよね。こうかなぁ。

この問題は、同格の all を使ってこう表します。同格というのは、名詞を説明するために、その直後に別の名詞や名詞相当語句を置くことです。今回でいえば we を説明するのに all を並べます。こういう関係を「同格」と言います。
名詞を説明するために、その直後に別の名詞や名詞相当語句を置くような関係を「同格」と言います。
「世界中で」の言い方
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
I want to travel ( ) ( ) the world.
私は世界中で旅行したい。

「世界中で」ですね。これなら知っています。

( )が1つ余っていますよ。確かに「世界中で」は「around the world」と言います。ただ別の言い方もありまして、( )を全部使って言うとこうなります。
all over the world で「世界中で」の意味になります。
「一年中」の言い方
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
It’s hot in this country ( ) ( ) ( ).
この国は一年中暑いです。

「一年中」ですか。こうかなぁ。

「世界中で」の「all over the world」に引っ張られてしまいましたね。似たような表現では「all through the year / 一年中」があります。こちらの方が一般的ですね。
今回の問題は( )が3つなので、「一年中」をこうあらわします。
all year round で「一年中」の意味になります。
関係詞節をともなって「唯一のもの」の all
次の日本語に合うように、( )に適当な語を書きなさい
( ) I can say is “thank you.”
私があなたに言える唯一のことは「ありがとう」です。

「唯一」ですか。こうかなぁ。

only だけじゃダメですね。( )がたくさんあれば、the only thing とすればいいんですが、( )が一つしかないので、これは関係詞節をともなう all を使います。
「all 主語+動詞 is …」で「~する唯一のものは…です」となります。

これって関係詞の文なの?

そうですよ。関係代名詞の that を使うと、こうなります。この関係代名詞の that が省略されている文なのです。
All that I can say is “thank you.”
私が言えるすべてのことは「ありがとう」です。
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