全体概要
全体を通して、昨年よりも解きやすい印象です。難易度はそれほど高くはありません。実際に平均点は58.80点→61.80点と、昨年より少し上がっています。時間をかけて丁寧に見ていけば、どの問題も正解を導き出せそうです。
しかし、本文の語数が多いです。詰まったり戻ったりしながら、本文を読んでいては時間が足りません。一定の速さで右から左へ読み進められるように、あらかじめ練習しておくとよいでしょう。少々わからない語があっても、雰囲気読みで読み進めて大丈夫です。
長文をたくさん読んで、読むスピードを上げる練習が有効です。
ただ読み方が雑になってしまうと、「そんなことどこで言っていたっけ?」となります。すると、本文を探し回ることになり、余計に時間がかかります。ブログやウェブサイト、学校関連など身の回りの話題が多いので、当事者の気持ちで考えるといいかもしれません。
また問6は論説文です。これはその知識があるとないとでは、内容の理解度に大きく差がでます。今回はプラスチックのタイプとリサイクルの話でした。かなり昔になりますが、がっちりマンデーという番組で「もうかるポリの世界!」というものをやっていました。
こういったものを目にしていたかどうかだけでも、話のとっかかりが違います。
朝型・夜型の話では、フクロウとヒバリの例えが出てきました。動物の生態を知っていると、話の理解度が変わったかもしれません。
もちろん、どの分野の話が話題になるかは分かりません。しかしその意味でも、
普段からアンテナを広げておき、興味があることは調べて、知識や教養を深めておくことが大事だと思います。
去年もそうでしたが、今年もイギリスが舞台の問題が複数ありました。イギリス英語とアメリカ英語では、単語の綴りが違うものがあります。今年の単語では「realise (realize)」「learnt (learned)」 が出てきました。どちらも前後関係から想像がつくかと思いますが、慌てないようにしたいです。
あとそれが出題されるかどうかは分かりませんが、英語にはほかにも、オーストラリア英語もあります。You Tube でミランダ・カーがオーストラリア英語について話している動画を見たことがあります。なかなか面白かったです。
気分転換にそういったイギリス英語や、オーストラリア英語にも触れておくと、また違った方面から英語の力をつけることになるかもしれません。
またイギリスとアメリカでは「階数」の表現が異なります。今回の問題では、イギリス式の階数の表現になっていました。直接問題には関わりませんでしたが、もしかすると今後そういうところも、問題に関係してくるかもしれません。
イギリス英語が出てもあわてなくて大丈夫。前後関係から判断しよう。
また問題量が多く、1問1問にそれほど時間をかけられません。行き当たりばったりで問題にあたると、設問の該当部分を探すのに、本文を行ったり来たりしがちです。なので時間短縮のため、その問題がどのタイミングですべきなのかを、見極める必要があります。
本文を読み始めるより先に設問に目を通し、それぞれの問題の解答手順をあらかじめ想定しておきましょう。
問1 身近な出来事
A ブラジルの果物
先に設問に目を通して、その内容を本文から探す、という手順で解きます。問2は sour を意識できているかで、時間のかかり具合が決まりそう。普通ケーキって sweet じゃないですか。その辺で怪しさを感じたい。
B 赤ちゃんキリンの名づけコンテスト
先に設問に目を通し、その内容を本文から探す、という手順で解きます。問2は、名前の応募にお金がかかるという話。本文を読まずに自分の常識だけで判断すると、ミスをしてしまいます。本文の見るべき場所は分かりやすいので、丁寧にいきたい。
問2 身の回りの出来事
A 図書館の配布物
先に設問に目を通し、その内容を本文から探す、という手順で解きます。ですが、問1の内容は本文全体に散らばっています。なので問1に関しては、解答は最後、あるいは途中で区切って、選択肢に〇×をつけていくのがよいでしょう。
また、本文に該当部分が出てくる順番にやっていくと、問4→問3→問2→問5の解答順になります。設問にあるキーワードに注意して、本文にそのキーワードが出てきたら、そのキーワードに対応する設問に取り組むという手順で解きます。解答の順番がおかしくならないようにしたい。
B ペットの飼育に関する記事
先に設問に目を通し、その内容を本文から探す、という手順で解きます。 こちらはAとは違い、設問の順番通りに本文に該当部分が出てきます。なので、やりやすかったと思います。
問3 ブログ・雑誌記事
A 日本の文化に関するブログ
先に設問に目を通し、その内容を本文から探す、という手順で解きます。 ですが、問1は全体的な内容なので、すべてを読み終わってから取り組みます。つまり問2→問1の順番で解くことになります。
問2は rakugo の話なので、該当部分は分かりやすいと思います。
B イギリスの山に登るチャレンジ
問1は選択肢を、物事が起こった順番に並び替える問題。この形式は設問だけでなく、選択肢にもあらかじめ目を通しておきます。そして本文を読みながら、それが出てきたら選択肢の横に番号を振るという手順で解きます。
問2は Scafell Pike とありますので、該当部分は分かりやすいです。問3は全体的な内容なので、全部読み終わってから取り組みましょう。
問4 家電をどこで買うのか
問1は Len のブログ、問2は Cindy のブログを読んで、解く問題になっています。選択肢を確認した段階で、解答の手順を組み立てておきましょう。
問3は Len と Cindy の両方に共通するものを答える問題。問4は全体を踏まえて考える問題。ですが、問2を解き終わった段階で、両方のブログに目を通し終わっていますから、その流れで解けます。
問5は値段を比較する問題。数字を比較する問題は、見えている数字をそのまま比較するのではありません。何らかの計算が必要になると思っておきましょう。今回も学生割引や、保証を付けるための追加料金がありました。
問5 巨大企業に対抗した若き発明家
Your presentation notes: にある空欄に、当てはまるものを選ぶ形式です。なので設問は、さらっと流し読みで大丈夫です。
問2は Early Days なので、本文のそれらしいところで、一旦区切って取り組むといいです。第四段落になると、主人公が社会人になっています。それがわかった段階で「行き過ぎたな」と判断し、問題にあたる感じでしょうか。
問3は出来事が起こった順番を答える問題です。しかし、選択肢が5つなのにもかかわらず、空欄が4つしかありません。選択肢だけで考えるのではなく、Your presentation notes: にある記述も、参考にする必要があります。
また出来事が、本文に出てきた順になっていないものもあります。書かれてある年号には印をしておき、後ですぐに確認できるようにしておくなど、工夫をしておくとよいでしょう。
問5の正解の内容は、直接本文に書かれていないです。そういう問題は消去法で絞るのがよいです。
問6 論説文
A 朝型か夜型か
Your summary notes: にある空欄に、当てはまるものを選ぶ形式です。なので設問はさらっと流し読みで大丈夫です。
問3の( 43 )は、先に Your summary notes: の部分を見ておくと、本文の該当部分がわかりやすいです。しかし、Your summary notes: は「要約」だけに、唐突感があって一見で理解するのは難しいかもしれません。
やはり先に本文を読んで、その内容を Your summary notes: で確認しながら問題に取り組むという手順が、正攻法でしょう。
問1は用語の意味を選ぶ問題。その単語自体を知らなくても、ちゃんと本文で説明があります。
問4は二つ空欄があって、両方正解で得点になる問題。1問にまとまっていますが、実質は二つの問題です。出来事の順序を答えるような問題はまとめて採点でいいですが、こういう実質二つの問題はそれぞれで採点した方がいいと思うんですよね。
B プラスチックのタイプとリサイクル
Your presentation poster draft: にある空欄に、当てはまるものを選ぶ形式です。なので設問はさらっと流し読みで大丈夫です。
問1はリサイクルの記号が、何を表しているのかを答える問題。第一段落を読んだ段階で、書かれてあります。第一段落を読み終わったら、すぐ問題にあたりましょう。
問2、問3は解答手順に注意です。
本文に出てくる順番は Type 2 → 4 → 5 → 1 → 3 → 6 → 7 の順になっています。設問の順番通りに解答しようとすると、本文をあちこち探す羽目になります。なので先に設問に目を通しておき、何の情報が必要なのかを確認します。問2では Type 2 と Type 3 の情報が必要ですね。
また問3では、選択肢一つ一つの正誤を判断するのに、それぞれ複数のプラスチックタイプの情報が必要です。これも選択肢順にやろうとすると、本文を探し回ることになります。
なので本文を読んで Type 2 の部分を読み終わると、その段階で問3の選択肢の Type 2 に関係するところを確認して、〇×で印をします。次に Type 4 部分を読み終わると、同じように選択肢の Type 4 の部分を確認して印をつけていく、という手順で進めます。
そうすることで、本文を読み終わるのと同時に、問3の解答が終わります。つまり問2と問3は並行して解きます。そういう解答手順を、設問に目を通した段階で判断しておくと、無駄なく解答することができます。
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