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【解説】2010年センター試験第3問C「空所補充」

2010年度センター試験英語解説 共通テスト・センター試験英語解説
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問1

問題次の文章の(  )に入れるのに最も適当なものを、それぞれ下の1~4のうちから1つずつ選べ。

Vinegar is a very familiar household product, which has long played an extremely important part in cooking all over the world. But what exactly is vinegar and what are its uses besides cooking?
(  ) In Japan, rice is used to make vinegar, which is a necessary ingredient in making some traditional Japanese dishes. In Korea, they use another native crop, persimmons; in the U.S., apples; and in the Philippines, sugar cane. It is clear that there is a variety of vinegars worldwide.

(  )
1. Local vinegar is unimportant elements in traditional dishes.
2. People in different places make vinegar out of their local products.
3. Rice vinegar has been made and used by people for a long time.
4. The word “vinegar” is from an old French word meaning “sour wine.”

【解説】

本文の第1段落に目を通しましょう。この第1段落には(  )がありませんのでそれほど気を入れて読む必要はありません。大体の流れがつかめればそれでよいです。少々わからない単語があっても考え込まないようにしましょう。こういう段落はスラッシュリーディングなどを使って素早く読み取ることを心がけます。

この第1段落では vinegar なるものがでてきました。料理をする人なら「ビネガー = 酢」とわかるのでしょうけれど、そうでない人はどうでしょうか? 「ビネガー」という言葉はたまに耳にするけれど、それが何かといわれたら「?」となる人もいるかもしれません。そういう人は cooking という単語が2箇所出てきましたので、「料理に使うものなのかなぁ」程度の理解があればいいでしょう。

第2段落の最初にいきなり (  ) が出てきました。この (  ) を見た瞬間に選択肢を読み始めるのはあせりすぎです。この「空所補充問題」では (  ) の前後関係から選択肢を選ぶのが、正解を導く正しい方法になります。

つまり本文を読み進めていて (  ) に出くわしたときは、さらにもう一文読んでから選択に行くということです。さらに言えばそのとき読むもう一文は解答するに当たり非常に大切ですので、しっかり意味を取る必要があります。では実際に見てみましょう。

In Japan, rice is used to make vinegar, which is a necessary ingredient in making some traditional Japanese dishes.
「日本ではビネガーを作るために米が使われます。それは日本の伝統的な料理を作るのに必要な材料です」

ちなみにこの文を読んだとき、さらにその次の文の最初がチラッと目に入りましたね。そう In Korea, です。ということは次の文では韓国での話があるわけです。

以上のことを踏まえて選択肢をチェックしましょう。
1. Local vinegar is unimportant elements in traditional dishes.
「その土地のビネガーは伝統的料理の重要な要素ではない」

(  ) 直後の文に necessary だと言っていますから、これは違いますね。

2. People in different places make vinegar out of their local products.
「異なる場所の人々はその土地の作物でビネガーを作る」

これはどうなんでしょう? 日本は「米」で作っていましたよね。そういえば先ほど見た (  ) の続きの文のさらに続きに、In Korea, とありましたよね。おそらく続きに韓国のビネガーの材料が書かれてあるんでしょう。少し確認してみましょう。

In Korea, they use another native crop, persimmons;
「韓国では、彼らは別の原産作物であるパーシモンを使います」

韓国ではパーシモンを使うそうですね。それもそうですが、この文の続きにアメリカのことが書いてあるのがチラッと目に入りませんでした? 気になるので確認してみましょう。

in the U.S., apples;
「アメリカは、リンゴ」

もうこれでこの選択肢が正解っぽいのはわかりましたね。でもさらに続きにフィリピンのことが・・・一応チェック・・・

and in the Philippines, sugar cane.
「そしてフィリピンでは、サトウキビ」

これでもう確定ですね。本来これで続きの選択肢を読まないのが、時間短縮のためのテクニックなのですが、ここでは念のため (?) に続きの選択肢も見ていくことにします。

3. Rice vinegar has been made and used by people for a long time.
「ライスビネガー (米酢) は長い間人々作られ、使われてきた」

そうかもしれないですけれど、(  ) の続きの文は国によって原料が違うことを言っているのですから、少し会話がかみ合わないような気持ち悪い感じがしますね。もしかすると (  ) の続きの文中にある traditional という単語に引っ掛けてきたのかもしれないです。

4. The word “vinegar” is from an old French word meaning “sour wine.”
「ビネガーという言葉は、古いフランスのサワーワインを意味する言葉から来ている」

これはそうなのかどうなのかわかりませんが、やはり続きの文とのつながりがしっくりきませんね。これが入ってもまぁ悪くはないでしょうけれど、これよりは断然「選択肢2」の方が適していますね。

【正解】2

問2

問題次の文章の(  )に入れるのに最も適当なものを、それぞれ下の1~4のうちから1つずつ選べ。

Regarding the process of making vinegar, it is made by allowing air to react with alcohol of some type. This means that the process always begins with a raw material, such as grapes, rice, or hops, that has been converted into alcohol. (  ) The former, allowing it to age naturally, can take weeks or months, or even in an extreme case, as long as 100 years, as in expensive Italian balsamic vinegars. The latter process can take as little as 20 hours. This is made possible by adding air and bacteria to the source liquid.

(  )
1. It takes an extremely long time to make genuine vinegar.
2. Many crops and recipes are connected to vinegar.
3. There have traditionally been several ways to make vinegar.
4. Vinegar can be produced either by a slow or fast process.

【解説】

では第3段落に入りましょう。ザーッと読んでいって(  )の直前の文

This means that the process always begins with a raw material, such as grapes, rice, or hops, that has been converted into alcohol.
「これはその過程がいつも生の素材、たとえばアルコールに変えられたブドウ、米、麦から始まることを意味する」

なんかピンときませんが、あまり考え込まないように・・・

(  )の直後の文を見てみましょう。

The former, allowing it to age naturally, can take weeks or months, or even in an extreme case, as long as 100 years, as in expensive Italian balsamic vinegars.
「前者は自然に熟成させるもので、数週間か数か月あるいは極端なケースでは高価なイタリアのバルサミコ酢のように100年もの期間がかけられます」

age が「熟成する」という動詞として使われているのに注意ですね。バルサミコ酢が長期の熟成によってできるということを知っているとかなり有利でした。

もう1つポイントは文頭の「former / 前者」です。ということは当然「後者」もあるだろうと、この直後をチラ見すると、やはり The latter process とありました。ついでに確認しておきましょう。

The latter process can take as little as 20 hours.
「後者の過程はわずか20時間ほどしかかからない」

「前者」「後者」に相当するものが (  ) の中、つまり選択肢の文にありそうですね。

では選択肢を確認してみましょう。
1. It takes an extremely long time to make genuine vinegar.
「真のビネガーを作るためには極端に長い時間をかける」

バルサミコ酢のことを言っているんでしょうかね。でも真のビネガーってバルサミコ酢のことなのですか? 日本の酢は日本の酢でそれなりの良さがありますよね。少し話しがずれているような・・・しかも「前者」「後者」に相当するものがないし・・・

2. Many crops and recipes are connected to vinegar.
「たくさんの作物とレシピがビネガーに関係している」

これだと「前者」=「作物」?、「後者」=「レシピ」? 熟成の過程の長さがどうのこうのとはまったくつながりませんね。これもダメそうです・・・

3. There have traditionally been several ways to make vinegar.
「伝統的にビネガーを作るにはいくつかの方法がある」

うーん・・・なんかつながりそうですけれど、「前者」「後者」に相当するものがない・・・ですよね。保留かな?

4. Vinegar can be produced either by a slow or fast process.
「ビネガーはゆっくりの過程か速い過程のどちらかで作られることができる」

これですね。「前者」=「a slow process」、「後者」=「a fast process」と考えれば、すんなり続きの文章につながりますね。

ここでは、内容云々より The formerThe latter process に語句に注目できていれば、正解を導き出すことができそうですね。

【正解】4

問3

問題次の文章の(  )に入れるのに最も適当なものを、それぞれ下の1~4のうちから1つずつ選べ。

The uses of vinegar are as extensive as its source materials. Before refrigerators became common, vinegar was vitally important in preserving food in the form of pickles. Vinegar has also long been important in cleaning and for medical purposes. (  ) to polish surfaces and reduce the pain of insect bites. Clearly, vinegar was an important discovery for ancient civilizations which remains useful even today.

(  )
1. It could have been used
2. It has been commonly used
3. It is rarely used
4. It will not be used

【解説】

最終段落に入りましょう。ざーっと読んでいって (  ) の直前の文になりました。少し注意して読み進めていきましょう。

Vinegar has also long been important in cleaning and for medical purposes.
「ビネガーはクリーニングや医療の目的として長い間重要であったりもした」

続いて (  ) を含む文をチェック。

(  ) to polish surfaces and reduce the pain of insect bites.
「表面を磨いたり、虫にかまれた痛みを削減するために(  )」

選択肢を見てみましょう。
1. It could have been used
「それ (ビネガー) は使うことができただろうに (実際は使わなかった)」

[could+have+過去分詞]に注目。仮定法過去完了ですね。if節がなくても、[would / could / should / might]がでてきたときは、仮定法の可能性を頭の片隅にでも置いておくと今回のようなとき助かります。(  ) の直前の文のことを考えると実際に使っていたようですので、この選択肢はダメですね。

2. It has been commonly used
「それ (ビネガー) は一般的に使われてきた」

(  ) の直前の文の内容とも相違しませんね。

3. It is rarely used
「それ (ビネガー) はほとんど使われなかった」

rarely があるということは否定文と考えればよいですね。(  ) の直前では使われてきた的なことが書かれてあるのですから、この選択肢はダメっぽいです。

4. It will not be used
「それ (ビネガー) は使われないだろう」

未来の話をしていますね。前文と (  ) を含む文の間に「逆接」の接続詞なり、接続副詞なり、そういう類のものがあるならこの選択肢もありなのでしょうけれど、それがないのですから直前の文とつながらないということでダメ。

例年の空所補充問題では「逆接」の接続詞・接続副詞などが大活躍することが多いのですが、今年の空所補充問題はそれが解答に直接かかわることがありませんでした。(  ) の直前や直後の文と同じような意味の選択肢を選べばよいということで、ある意味素直に考えれば正解を導き出すことができましたね。

しかしこの空所補充問題においての鍵になるのはやはり「逆接」でしょうし、今年の問題がそれに関係しなかったことで逆に来年度は「逆接」に注意すべきともいえるかもしれません。

【正解】2

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