トレーニングの5原則というものがあります。効果的に筋トレを行っていくための大切なルールです。そのトレーニングの5原則とは、「全面性の法則」「個別性の法則」「意識性の法則」「漸進性の法則」「反復性の法則」です。
トレーニングの5原則 とは、具体的にどういうものなのか。そしてそれをどうやって、普段の勉強に活かしていくかを考えていきましょう。
全面性の法則
いろいろなものを取り入れて、まんべんなく鍛えることが大切だという話です。
メジャーリーガーのダルビッシュ有選手は右利きですが、左投げで調整することがあります。これは体のバランスをとるためだそうです。普段使っていない筋肉を鍛えることができ、バランスの良い体になることで故障も減らせます。
勉強も同じです。好きだからと言って一つの分野だけ頑張るというのは、右腕だけムキムキみたいな不安定さがあります。どうせならボディビルダーのような格好いい体を目指したいですよね。
勉強はすべてつながっています。理科の問題を解くのに、数学の知識を使うことがあります。社会や理科の知識が国語の読解力につながります。得意教科も不得意教科も、バランスよく勉強することが大切ですね。
個別性の法則
年齢や体調、体力レベルやトレーニング歴、性別や既往歴などを考えて、その人にあったトレーニングをすることが大切だという話です。
ボーイズリーグというものがあります。それは小学生の野球リーグです。そのボーイズリーグでは、変化球を投げるのを禁止しています。成長途中にある小学生なので、肘などに負担がかかり過ぎないよう配慮しているそうです。
勉強も同様です。「この問題を教えてください」と持ってくる問題が、結構な難問なことがよくあります。もちろんその問題ができるに越したことはないのですが、それよりももっと基礎的なものを完璧にする方が優先です。
逆に「こっちの応用問題にも挑戦してみたら?」と提案しても、「応用問題ならやらなくていいです」と、基本問題にしか取り組まない人がいます。それは自分の限界を自分で決めていることになります。成長の芽を摘んでしまっているのです。とてももったいない。
自分に何が適切なのかを自分で判断するのは案外難しいです。他人のアドバイスも参考にして、自分に合った内容の勉強に取り組むことが大切です。
意識性の法則
トレーニングをするときに、意識をすることで効果がさらに高まるという話です。鍛えたい部分にしっかり負荷がかかっているかを意識することで、正しいフォームでトレーニングを行うことができす。
逆に意識ができていないとフォームが崩れてしまい、そのトレーニングが目的としているものになりません。また無理になってしまい、けがをすることにもなりかねません。
勉強も同じことです。「人からやれと言われるから勉強をする」というのでは、正しい勉強になりません。ただやっているだけで身にならないのです。つまりその勉強が何を目的としているのかを、自分でしっかり理解して行う必要があるのです。
そう考えるとやはり、自ら進んで勉強に取り組むということが大切になります。人に押し付けられるのではなく自ら進んで行うなら、「今日は◯◯をやろう」という勉強のスタートのはずです。これはしっかり意識ができているので、効果的な勉強になるわけです。
漸進性の法則
トレーニングを行うにあたり、ゆっくりと少しずつ負荷を上げていくことが大切だという話です。ポイントは「少しずつ」と「負荷を上げていく」です。
例えば腕立て伏せをするとします。最初は5回くらいで限界です。ですがそれを毎日こなすと体が強くなり、無理なく5回の腕立て伏せができるようになります。するとそこからさらに1回増やして6回に挑戦です。
6回に慣れてくれば、次は7回です。そしてそれが8回になり、やがて10回になっていきます。そのように徐々に、腕立て伏せの回数を増やしていきます。そうすることでどんどん筋力がついてきます。
これが腕立て伏せを5回できるようになったと満足して、それ以降も5回を続けるとします。すると筋力はそれ以上強くはなりません。筋力をさらに上げていくためには、少しずつでも負荷を増やしていく必要があるのです。
勉強も同じことです。それまで50点くらいしか取れなかった人が、勉強を頑張って70点を取ることができました。「ちょっと勉強のやり方が分かってきたんじゃないの?」とうれしくなります。
そして次回70点、さらに70点、またまた70点…。こうなると、そろそろ次の段階に進んでもいいかもしれません。
70点をとれる力はつきました。となれば次は80点、そしてやがては90点をとれるようにしていきたいですよね。あわてる必要はありませんが、徐々に負荷を増やしていきましょう。そうやって、実力を伸ばしていくことが大切です。
反復性の法則
規則的に繰り返し長い時間をかけて行うことで、効果が高くなるという話です。短期間でつけた筋肉は短期間で失われてしまいます。逆に長期間かけてつけた筋肉は、なかなか失われないそうです。
これは勉強の短期記憶と長期記憶の話と同じです。一つ例を挙げてみましょう。
試しに「2154839」という数字を3回口に出してみてください。そのあと目を閉じて今口に出した数字を言ってみてください。どうですか? ちゃんと言えますよね。
では次に7の段の掛け算を言ってみてください。言い終わりましたか? それでは先ほど覚えた7桁の数字をもう一度思い出してください。どうですか? 今度は言えなくなりませんでしたか? このように短期記憶はすぐに失われてしまいます。
定期テスト前に一夜漬けで勉強をして、点数が良かったと喜んでいる人がいます。でもそれって本当に受験の時まで覚えていられますか? 本当の記憶にするためには、何回も繰り返し練習する必要があります。それは日々の勉強の積み重ねでしか得られません。
まとめ
トレーニングの5原則 から、効果的な勉強方法を考えてみました。こう見てみるとトレーニングと勉強にはかなり共通するものがありますね。勉強をしているとどうしても運動不足になることがあります。ならばトレーニングと勉強を並行して行うもの一つの方法かもしれません。
トレーニングでうまくいったことを勉強に活かし、勉強でうまくいったことをトレーニングに活かせれば、効率よく身も心も成長できるかもしれませんね。
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