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2025年度共通テスト英語の問題分析&解き方の手順

2025年共通テスト英語解説 共通テスト・センター試験英語解説
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全体概要

新しい学習指導要領に対応した試験ということで、形式が変更され、問1~問8というシンプルな形になりました。

内容としては変更初年度ということもあるのでしょうか、それほど考え込むようなものはなく、素直に選べる解答が多かったように感じました。

ただ問題数や文章量が減ったとはいえ、それでも時間に余裕があるとは思えません。そのため問題の形式をあらかじめ知っておき、その解き方の手順もあらかじめ準備しておく必要があります。

特に最後の問8は800語以上の語数がある上に、かなりややこしい形式です。準備なしで解こうとすると時間的な焦りと合わさって、混乱しそうです。とはいえ、ざっくりとした内容がつかめればよい部分だったり、読む必要がない部分があったりします。そこを事前に知っているか知らないかで、解答時間に差が出てきそうです。

個人的には、問7の論説文の「睡眠パターン」の話が、特に興味深く感じました。その他「アクアリウム」「空飛ぶクルマ」「宇宙探査」の話題など、今年は面白い話題が多かったです。

それに対して問3と問6の、「物語」の内容がつまらなくて、正直げんなりしました。まぁ、問6は作家志望の人が書いたという体裁ですから、それが狙い通りと言えばそうかもしれませんけれど、もう少し興味が持てる内容にはならなかったのかと思いました。

日本の将来を担う受験生たちが、貴重な時間を使っています。また過去問として今後も多くの高校生たちが、今後も解くことを考えたら、問題文の質にもっとこだわっていいのではないかと思いました。

教養

「アクアリウム」「空飛ぶクルマ」「睡眠パターン」「宇宙探査」の出題がありました。それぞれその知識があるとないとでは、内容の理解度に大きく差がでそうです。

アクアリウムにおいて、前景は低く、後景は高くというのは基本です。空飛ぶクルマは、大阪万博関連でニュースになっていましたね。意識が高い人なら「ゼロエミッション技術」なんて言葉を聞いたことがあるかもしれません。動物好きの人なら、渡り鳥が片目を閉じながら飛ぶという話は有名でしょうか。宇宙好きの人ならそれぞれの意見に興味を持てるでしょうし、宇宙デブリの問題もよく知っているでしょう。

もちろん、どの分野の話題が出題されるかは分かりません。しかしその意味でも、幅広い知識や教養を持っておくと有利です。

普段からアンテナを広げておき、興味があることは調べて、知識や教養を深めておくことが大事です。

イギリス英語

去年もそうでしたが、今年もイギリスが舞台の問題が複数ありました。イギリス英語とアメリカ英語では、単語の綴りが違うものがあります。

今年の単語では「centre (center)」「practise (practice)」が出てきました。

特にアメリカ英語では、動詞と名詞が同じ形である「practice」ですが、イギリス英語における「practise / 練習する」「practice / 練習」 という名詞と動詞での綴りの違いも、今年は確認できました。

これまでには、このようなイギリス英語が出てきました。

「realise (realize)」「analysing(analyzing)」「colourful(colorful)」「personalised(personalized)」「honour(honor)」「learnt (learned)」

どれも字面や前後関係から想像がつくかと思いますが、慌てないようにしたいです。

イギリス英語が出てもあわてなくて大丈夫。字面や前後関係から判断しよう。

スピード

時間をかけて丁寧に見ていけば、どの問題も正解を導き出せそうです。しかし語数が多く、その時間が足りない印象です。一定の速さで右から左へ読み進められるように、あらかじめ練習しておくとよいでしょう。少々わからない語があっても、雰囲気読みで読み進めて大丈夫です。

長文をたくさん読んで、読むスピードを上げる練習が有効です。

ただ読み方が雑になってしまうと、「そんなことどこで言っていたっけ?」となります。すると、本文を探し回ることになり、余計に時間がかかります。ブログやウェブサイト、学校関連など身の回りの話題が多いので、当事者意識を持って問題に取り組むようにしましょう。

問題形式ごとの解答手順

文章量が多く、1問1問にそれほど時間をかけられません。行き当たりばったりで問題にあたると、設問の該当部分を探すのに、本文を行ったり来たりしがちです。なので時間短縮のため、その問題がどのタイミングですべきなのかを、見極める必要があります。

また過去問や予想問題などで、形式をあらかじめ把握しておくことで、その解答手順をつかみやすくなります。また流し読みでいい部分、読まなくていい部分も確認しておきましょう。

本文を読み始めるより先に設問に目を通し、それぞれの問題の解答手順をあらかじめ想定しましょう。また過去問や予想問題などで形式を把握しておくことも重要です。

問題形式ごとの解答手順は、具体的には次のようしてみるとよいでしょう。

英問英答形式

設問にあるキーワードを頭に入れておき、それが本文に出てきたら、その周辺に設問の該当部分があると考え、問題にあたるのが基本です。

本文全体に設問の該当部分が散らばっている問題もあります。選択肢が短い場合は先に目を通しておくと、何度も本文を行ったり来たりしながら、探し回らなくて済みます。そして該当部分に出くわすごとに、設問にあたり、選択肢などにメモをします。

「事実」か「意見」かを問う問題は、選択肢の内容だけで絞ることができるものもあります。「意見」を選ぶ問題の場合、仮にそれが内容的に正しいとしても「事実」だと判断できるなら、その選択肢は消去することができます。

順序を答える問題

出来事が起こった順序に並び替える問題があります。ダミーの選択肢がない場合は、先に選択肢にも目を通しておくと、内容の理解に役立ちます。ダミーの選択肢がある場合は、それが誤った先入観になりかねないので、選択肢には目を通さない方がよいです。

本文全部を読んでから設問に取り組もうとすると、本文の最初の方の内容を忘れてしまいます。なので段落や、キリの良い場面で区切って選択肢に取り組み、その時点で出てきた内容の選択肢に番号をつけるとよいでしょう。

ただ時系列が本文通りになっていないものも多いので、注意が必要です。

空所補充問題

空所補充問題には、形式として「空所語句補充」と「空所文補充」があります。どちらも空所の前後関係から判断するのが基本です。

「空所語句補充」は、出題される語句が使いまわされる傾向にあります。過去問などで一通りは確認しておくのが良いでしょう。ちなみにセンター試験を含めた、空所語句補充問題に出てきた語句には、このようなものがあります。

actually / additionally / also / although / anyway / because / but / despite / finally / futhermore / however / if / later on / meanwhile / moreover / namely / nonetheless / nor / now / often / otherwise / seldom / shortly / similarly / sincerely / so / still / surely / then / therefore / though / thus / unfortunately / unless / usually / whether / while / yet
along with / as a matter of fact / as a result / as far as / as if / as well as / at last / at least / at this level / because of / beginning with / compared with / due to / for example / for instance / for this reason / from then on / in a sense / in addition / in conclusion / in contrast / in fact / in other words / in short / in spite of / In that case / in the beginning / in the long run / in the same way / instead of / not to mention it / of course / on the other hand / that is / to begin with / what is more

空所文補充についても、空所語句補充と同じく「接続詞」や「接続副詞」がヒントになることがあります(試行問題ではそうでした)。また空所が段落の最後に来る場合は、それがその段落の結論になることが多いです。するとその段落の最初の文がヒントになるかもしれません。

問1 アクアリウムのパンフレット

まずリード文とパンフレットの見出し部分に目を通します。そして設問に目を通します。問1~3までありますので、この時点でパンフレットにある3つのステップがそれぞれの設問に対応しているのではないかと想定しました。

ですが、実際は問1はパンフレットの見出し部分。問2・3は二つ目と三つ目のステップを総合して判断する問題でした。

とはいえ問1の該当部分である見出しは、一つ目のステップの前にありますし、問2は二つ目のステップの内容だけでほぼ絞れます。問3のキーワードは二つ目のステップに、割と印象的な形で出てきますので、すぐに該当部分を見つけることはできるでしょう。

先に本文すべてに目を通して内容を確認してから設問にあたるのが、今回の問題としては最適な解き方ではあります。ですがそれは力のある人の解答方法です。自信のない人はやはり設問に先に目を通して、解答手順を想定しておく方がやりやすいのではないかと思います。

問2 空飛ぶクルマ

リード文の後は設問に目を通します。

問1は「all」「agree on」あたりがキーワード。本文でそれらの語がでてくれば、そこが該当部分になります。問3は「意見」を選ぶ問題。「one guest speaker」ですから、3人のうち1人だけ意見が違うものになりそうです。問4はブログで言及されている内容を選ぶ問題ですから、すべてを読み終わった後に取り組めばよいとわかります。

本文を読んでいくと、問1・2の該当部分が第二段落にあることがわかります。全部読んでから問題に取り組む自信がなければ、第二段落を読み終わった段階で一旦問1・2に取り組むのが良いでしょう。

問3 バンドの物語

リード文の後は設問に目を通します。問2は5つの選択肢から4つを選び、起こった順番に並び替える問題。選択肢の中にダミーが一つあります。余計な情報を入れないように、選択肢には目を通さず、本文に進みます。

全部を読んでからしようとすると、情報量が多くなります。問1が第二段落までの内容で解答できますので、それに合わせてその時点までの順番で問2を解答しておくと、記憶の負担が軽減されます。

問4 エッセイの下書き

エッセイの下書きに、先生から修正の指示が入る問題です。2025年からの新形式です。リード文の後は設問ではなく、Comments にある先生からの指示に目を通します。とはいえじっくり読むのではなく、問題形式を確認する感じです。

問1・2は空所補充の問題です。問1は選択肢を見ると接続詞を選ぶ問題で、問2は文を選ぶ問題です。問3・4は下線部を正しい内容の文に置き換える問題です。その点が確認できれば本文に進みます。

空所補充の問題は、その前後関係から考えるのが基本です。ですが、だからといって本文の空所に関係しない部分を読まないのはやりすぎです。前提条件があった方が理解しやすいので、最初から目を通すようにします。そして空所部分に近づいたら、しっかり内容を取るように注意するなど、読み方にメリハリをつけるのがオススメです。

下線部の問題は、その部分に目が通ったら設問に取り組みます。下線部部分を読まなくてもいいと考える人がいるかもしれません。しかしそこにも一応目を通した方がいいでしょう。違和感を感じることができたら、それをもとに選択肢を選ぶことができるからです。

「Overall Comments」の部分には目を通す必要はありません。

問5 メールのやり取り

リード文の後は設問に目を通します。問1は「Based on your email」とあります。問2も一通目のメール中にあるスケジュール表の問題ですから、ともに一通目のメールを読んだ後に解けばよいと想定できます。

問3は「Referring to Professor Ryan’s reply」とありますので、ライアン教授のメールを読んでから解けばよいと想定できます。問4はディベートの座席レイアウトですから、該当部分に来たら解く。問5は返信に含めるべき内容を選ぶ問題なので、最後に解けばよいと想定します。

実際には問2はライアン教授のメール内容にもヒントがあったり、問5は一通目のメールに該当部分があるものもあったりします。そのため正確性を求めるなら、必ずしも想定通りにはいきませんが、消去法を使えば、想定したやり方である程度解答を絞ることができます。

多くの情報の中から必要なものを探し出す能力、情報検索力が問われいるのではないでしょうか。

問6 物語「ブルーバードとメロディ・本物のヒーロー」

リード文の後は設問に目を通して、解答手順を想定しておきます。

問1は物語の順序を問う問題。全部読んでからすると、最初の方の内容を忘れてしまう可能性がありますので、自信のない人は切りのいいところで一旦区切って、その段階までの内容で問題に取り組むといいです。本文が◆で4つに分割されていますから、2つずつに分けてするのがいいでしょう。

問2は Melody の能力を選ぶ問題。これも読み終わってから一気にするのではなく、本文のその部分に来たら選択肢にチェックを入れるようにすると、後で該当部分を探し回らずに済みます。

問3はヘンリーへのフィードバックメール中の空所に入れるものを選ぶ問題。本文よりも先にメールに目を通しておきましょう。すると「We wan’t let that happen to you.」というキーフレーズが書かれてあります。これをもとに本文から該当部分を探すといいです。

問4もヘンリーへのフィードバックメール中の空所に入れるものを選ぶ問題。本文に付け加えた方がいいものを選ぶ問題です。これは全てを読んでから解く方がいいと想定できますね。

問7 論説文「動物の睡眠パターン」

リード文の後は設問に目を通して、解答手順を想定しておきます。

問1は「importance of Sleep」の項目から、間違っているものを選ぶ問題。問2は「biphasic sleep」に関するグラフを選ぶ問題。見出しにキーワードが出ていますので、それを参考に該当部分を本文から探し、そこを読み終わったら、設問に取り組めばよいです。

問3は全体的な問題です。自信があるなら本文を全部読んでから取り組んでもいいですが、そうでないなら途中で一旦途中で区切って、そこまでの範囲で取り組むのがオススメです。本文の分量をさっと見た感じでは、第四段落まで読んで取り組むのがいいかなぁ、という感じです。

ですが実際に解いてみると、問2の該当部分が第三段落でほぼ半分くらいなので、その流れで問3にも取り組むといいかもしれません。

問4・5については、outline に「Unihemispheric Sleep」「Black bear」「Jellyfish」というキーワードがあります。それを参考に該当部分を本文から探し、そこを読み終わったら、設問に取り組めばよいです。

問8 討論「宇宙探査の是非」

五人の立場の異なる人の意見を読み、それをもとに問題を解く形式です。2025年からの新形式です。リード文の後は設問に目を通して、解答手順を想定しておきます。

この時、[Step 1]→問1・2、[Step 2]→問3、[Step 3]→問4・5となっていることに気づくでしょう。ただ実際に問題を解けばわかりますが、[Step 2]は[Step 1]に大きくかかわっています。そのためまずは、問1~問3までの設問に目を通します。

問4・5は別の問題と考えて、この時点では設問に目を通す必要はありません。

問1は「Meilin」の意見を選ぶ問題。[Step 1]の Meilin の意見を読んでから取り組みます。問2は「Christine」と「Victor」の意見に共通するものを選ぶ問題。[Step 1]の Christine と Victor の意見を読んでから取り組みます。

ただこの時、心にとめておかなくてはいけないのが問3の内容です。

問3には、ある議題に対して賛成、あるいは反対の立場をとる人物名を選ばせる問題が出ています。なので問1・2を解くときには、その問題のことに加えて、議題に賛成か反対かあるいは中立かも意識しておきます。そして名前のところにでも「〇」「△」「×」の印をしておくと、後で確認がやりやすくなります。

問1・2を解いた時点で5人中3人の意見を読んでいます。つまり問3のことを心にとめながら問1・2を解くと、その時点で問3の3/5を解いたのと同じことになっているのです。そして残り2人の意見を読んで、問3の問題に取り組むという手順です。

問3を解き終わったら、ここでようやく問4・5の設問に目を通します。とはいえ、問4は [Source A]、問5は [Source B] を読んで、それぞれ答えるという内容なので、それを確認する程度でよいです。

自身の立場は、問3でわかっていますので、outline もそれほどきっちり読む必要はありません。また問5については結局、[Source B] のグラフと整合しない部分があるのかないのかですから、英文にも目を通す必要はないかもしれません。

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この記事を書いた人
nekoeigo

鼻が乾いているネコです。中学生・高校生の英語を指導しています。そこで気づいたことや、みんながよくするミスをを踏まえて記事を書いています。英語参考書の出版経験あり。X や Facebook では、「お気楽英語」の更新情報をつぶやいたり、なんかそれらしいことをつぶやいたりしています。

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