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【解説】2024年度共通テスト英語 第5問

2023年共通テスト英語解説 共通テスト・センター試験英語解説

2024年度の大学入学共通テスト英語第5問の解説をしています。疑問点が残らないよう、解き方の手順も踏まえて一問一問どこよりも丁寧に説明します。

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問題

You are in an English discussion group, and it is your turn to introduce a story. You have found a story in an English language magazine in Japan. You are preparing notes for your presentation.

Your notes:

問1 Choose four out of the five events (1~5) and rearrange them in the order they happened.

  1. Kasumi becomes vice-president of her company.
  2. Kasumi gets in touch with Takuya.
  3. Maki gets her university degree.
  4. Maki starts working in her family business.
  5. Takuya is inspired to start his own business.

問2 Choose the best option for ( 34 ).

  1. early 30s
  2. late 30s
  3. early 40s
  4. late 40s

問3 Choose the best option for ( 35 ) and ( 36 ).

  1. made the product known to people
  2. proposed a successful business idea
  3. purchased equipment for the business
  4. suggested moving to a bigger city
  5. taught the necessary skills for success

問4 Choose the best option for ( 37 ).

  1. do not want to discuss their success
  2. have not spoken in a long time
  3. regret not appreciating their friend more
  4. think Maki was envious of their achievements

問5 Choose the best option for ( 38 ).

  1. like to try different things
  2. recognize her own talent
  3. understand the ability she lacks
  4. want to pursue her dreams

解説 問1

問題

Choose four out of the five events (1~5) and rearrange them in the order they happened.
5つの出来事(1~5)から4つを選んで、起こった順に並べ替えてください。

選択肢の内容を並び替える問題です。ただ一つダミーの選択肢がありますので、注意が必要です。Your note の Story outline を確認しましょう。

Maki, Takuya, and Kasumi graduate from high school.
マキ、タクヤ、カスミは高校を卒業します。

Maki begins to think about a second career.
マキはセカンドキャリアを考え始めます。

並び替える選択肢は、この二つの出来事の間に挟まることがわかりました。それを踏まえて、選択肢を確認しましょう。

1. Kasumi becomes vice-president of her company.
カスミが会社の副社長になる

「カスミの副社長」については、四つ目の章にこうあります。

Since then, She had steadily climbed her way up the company ladder until she had been named vice-president of Beautella this year.
それ以来、彼女は着実に出世の階段を上り、今年 Beautella の副社長に任命されました。

副社長になったのは「今年」です。

2. Kasumi gets in touch with Takuya.
カスミがタクヤに連絡を取ります

「カスミがタクヤに連絡を取る」については、一つ目の章にこうあります。

A phone call a few weeks earlier from Kasumi to Takuya had given them the idea to visit Maki and surprise her.
数週間前にカスミからタクヤに電話がかかってきて、彼らはマキを訪ねて驚かせようと思い立った。

カスミがタクヤに連絡をとったのは「数週間前」です。そして四つ目の章にこうあります。

Glancing back to the article, she decided to call Takuya.
記事をちらりと見返しながら、彼女はタクヤに電話することを決めました。

カスミは記事を見ながら、これまでのことを思い返しています。その中に自分が「副社長」になったことも含まれています。なので「1」の「副社長になる」よりも、「2」の「連絡を取る」方が後だとわかります。

3. Maki gets her university degree.
マキは大学の学位を取得します。

「マキの大学」については、三つ目の章にこうあります。

He was surprised to learn that Maki had abandoned her plan to attend university because she had to manage her family’s restaurant.
彼は、マキが実家のレストランを経営しなければならなかったために、大学への出席を断念したことを知り驚きました。

マキは大学を辞めてしまいました。なので学位を取得していません。この選択肢は違います。

4. Maki starts working in her family business.
マキは家業の仕事を始めます。

「マキの家業」については、一つ目の章にこうあります。

Maki had joined her family business at the age of 19 when her father became ill.
マキは彼女の父が病気になった時、19歳で家業に加わりました。

19歳ということは、高校卒業してすぐのようですね。引き続き本文を読み進めると、三つ目の章にこうあります。

Exactly one year after graduation, Takuya returned to Kawanaka with his dream destroyed.
卒業からちょうど1年後、タクヤは夢破れてカワナカに戻ってきました。

そしてこうあります。

Her first day of work had been the day he called.
彼が電話したその日が、彼女の初勤務日でした。

つまりマキが家業に加わったのは、タクヤがマキに電話したとき、つまり「高校卒業から一年後」となります。

5. Takuya is inspired to start his own business.
タクヤは自分自身のビジネスを始めることを思いつきました。

「タクヤのビジネス」については、三つ目の章にこうあります。

On the one-year anniversary of his employment, Takuya was talking to Maki at her restaurant.
仕事をして1年の記念日、タクヤはマキのレストランで話をしていました。

その話の中で、タクヤはこう言います。

“That’s rihgt! It’s to have my own coffee bussiness.”
「その通り! それは自分自身のコーヒービジネスを持つことなんだ」

「仕事をして1年の記念日」に、自分の夢としてビジネスの話をしたのですから、夢破れてカワナカに帰って「Cafe Kawanaka」で働く中で、その夢が芽生えてきたのでしょう。

まとめますと、「高校卒業」の一年後に「マキが家業に加わります」。その後カフェで働いていた「タクヤが自分自身のビジネスを思いつきます」。一方今年になって「カスミが副社長に就任します」。そして、タクヤが成功しているという記事を見た「カスミがタクヤに連絡を取ります」。二人がマキのレストランを訪れ、そこで話をする中で「マキがセカンドキャリアについて考え始める」。という流れです。

ということで、正解は「4」→「5」→「2」→「1」です。

ネコ
ネコ

全部読んでから一気にやろうとすると、記憶がこんがらかります。今回でいえば、三つ目のタクヤの章を読み終わったら、いったん問題に取り組むのがいいでしょう。「カスミが高校卒業8

カ月で昇進した」なんて話があるので、そこで勘違いした人もいたかもしれません。ですが、さすがに入社8カ月では「副社長」にはなれませんよね。

解説 問2

問題

Choose the best option for ( 34 ).
( 34 )に最も適した選択肢を選択してください。

( 34 )は About Maki の項目にあります。マキの年齢を答える問題ですね。選択肢を確認しましょう。

1. early 30s / 30代前半
2. late 30s / 30代後半
3. early 40s / 40代前半
4. late 40s / 40代後半

二つ目の章にこうあります。

I can’t believe it’s been 20 years since we graduated.
卒業してからもう20年も経つなんて信じられないわ。

これはカスミがタクヤと話している内容です。高校卒業は18歳です。そこから20年ということは、誕生日の関係もありますが、二人の年齢はだいたい38歳くらいでしょう。当然マキも同級生ですから、同じです。

38歳は「30代後半」です。ということで、正解は「2」です。

ネコ
ネコ

年齢を推理して答えるという、失礼な(?)問題ですね。先に Your note に目を通して、マキの年齢を意識しながら本文を読んでいると、この部分でピンとくるかと思います。逆に設問に目を通さずに、先に本文から読んでしまうと、うっかり読み飛ばしてしまうかも。

解説 問3

問題

Choose the best option for ( 35 ) and ( 36 ).
( 35 )と( 36 )について最も適切なものを選択してください。

( 35 )と( 36 )は Your note の About Maki の項目にこうあります。まずは( 35 )を確認しましょう。

How she supported her friends:
彼女は友人たちをどのようにサポートしたか
Provided Takuya with encouragement and ( 35 ).
タクヤに激励を与えて、( 35 )。

マキがタクヤに何をしてあげたかを選ぶ問題ですね。タクヤの話は三つ目の章にあります。三つ目の章の最後の方にこうあります。

Maki had a sign in her restaurant saying, “We proudly serve Takuya’s Coffee,” and this publicity helped the coffee gain popularity in Kawanaka.
マキはレストランに「タクヤズコーヒーを自信を持ってご提供します」という看板を出し、この宣伝がカワナカでそのコーヒーの人気を高めました。

これは選択肢「1」の内容です。

1. made the product known to people
その製品を人々に知らせた

タクヤについては、もう一つ紛らわしい選択肢があります。それば「3」です。

3. purchased equipment for the business
ビジネス用に機材を購入した

「機材の購入」について、三つ目の章にこうあります。

He quit his job, purchased a coffee bean roaster, and began roasting beans.
仕事を辞めてコーヒー豆焙煎機を購入し、豆の焙煎を始めました。

この焙煎機を購入したのはマキではなく、タクヤです。そしてマキはタクヤの「product / 製品」を使っていますが、「equipment / 機材」は使っていません。この選択肢は違います。

次に( 36 )を確認しましょう。

Provided Kasumi with encouragement and ( 35 ).
カスミに激励を与えて、( 36 )。

マキがカスミに何をしてあげたかを選ぶ問題ですね。カスミの話は四つ目の章にあります。

One day, Maki had an idea, “Doesn’t Beautella do make-up workshops? I think you are more suited for that. You can show people how to use the make-up. They’ll love the way they look and buy lots of cosmetics!”
ある日、マキは思いつきました。「Beautellaではメイクアップのワークショップをやっていないの? あなたはそのほうが向いていると思う。メイクの仕方を人に見せることができるよね。その見た目を気に入って、彼らはたくさん化粧品を買うでしょう!」

これは選択肢「2」の内容です。

2. proposed a successful business idea
成功するビジネスアイデアを提案した

カスミについては、もう一つ紛らわしい選択肢があります。それば「4」です。

4. suggested moving to a bigger city
もっと大きな都市に引っ越すことを提案した

「引っ越し」について、四つ目の章にこうあります。

Kasumi’s sales were so good that eight months out high school, she had been promoted, moving to the big city of Ishjima.
カスミの売り上げは非常に良かったので、高校卒業から8か月で昇進し、大都市のイシジマに引っ越しました。

引っ越したのは昇進した結果であって、マキが提案したわけではありません。この選択肢は違います。

ということで、正解は( 35 )→「1」、( 36 )→「2」です。

ネコ
ネコ

選択肢「5」の「成功するために必要なスキルを教えた」はそれっぽく、タクヤとカスミのどちらにも当てはまりそうな感じです。ですが実際には「成功するスキル」は彼ら自身が持っていて、それに気づかせたのがマキなのです。なので「5」は違いますね。

解説 問4

問題

Choose the best option for ( 37 ).
( 37 )に最も適した選択肢を選択してください。

( 37 )は Interpretation of key moments の項目にあります。

Kasumi and Takuya experience an uncomfortable silence on the phone because they ( 37 ).
カスミとタクヤは、電話で気づまりな沈黙を経験します。なぜなら彼らは( 37 )からです。

電話で沈黙があるのは五つ目の章です。

The conversation became silent, as they wordlessly communicated their guilt.
言葉なしで彼らの罪悪感が伝わったので、会話は沈黙しました。

その前の彼らの会話を見てみましょう。

“Maki wasn’t at the reunion. I haven’t seen her in ages,” said Takuya.
「マキは同窓会に来ていなかった。もう何年も会っていない」とタクヤは言いました。
“Same here. It’s pity. Where would we be without her?” asked Kasumi.
「こっちも一緒。残念だわ。彼女がいなかったら私たちはどうなっていたのでしょう?」とカスミはたずねた。

世話になったマキに対して、疎遠になっていたことに罪悪感を覚えたのですね。それを踏まえて、選択肢を確認しましょう。

1. do not want to discuss their success
彼らの成功について話したくない
2. have not spoken in a long time
長い間話していない
3. regret not appreciating their friend more
もっと友達に感謝しなかったことを後悔している
4. think Maki was envious of their achievements
マキが彼らの功績を羨んでいたと考える

先程確認した本文の内容から、正解は「3」です。

ネコ
ネコ

カスミは引っ越したので仕方ありませんが、タクミは同じカワナカで、しかもおそらくマキのレストランと取引はしているでしょう。なのに何年も会っていないというのは、どうなんでしょうかね。そりゃ言葉もなくなりますかね。

解説 問5

問題

Choose the best option for ( 38 ).
( 38 )に最も適した選択肢を選択してください。

( 38 )は Interpretation of key moments の項目にあります。

In the final scene, Kasumi uses the word “irony” with Maki. The irony is that Maki does not ( 38 ).
最後の場面で、カスミはマキに「irony / 皮肉」という言葉を使います。irony というのはマキが( 38 )ないということです。

irony は最後の章にこうあります。

“The irony is that you couldn’t do the same for yourself,” added Kasumi.
「皮肉なことに、あなたは自分自身に同じことができなかったのね」とカスミは付け加えた。

ひとつ前のタクヤの言葉を見てみましょう。

You can identify others’ strengths and show them how to make use of them.
君は他人の強みを特定し、それを活用する方法を示すことができるんだ。

「他人の強みを特定して、活用する方法を教えられる」のに、「自分自身に同じことができない」のです。つまり「他人の強みを特定して、活用する方法を教えられる」ことが、「自分の強み」だと気づけていないのですね。

それを踏まえて、選択肢を確認しましょう。

1. like to try different things
さまざまなことを試すのが好き
2. recognize her own talent
自分の才能に気づく
3. understand the ability she lacks
自分に欠けている能力を理解する
4. want to pursue her dreams
彼女の夢を追いかけたい

「他人の強みを特定して、活用する方法を教えられる」という「カウンセリング」の才能に、マキは気づけていません。それが「皮肉」なのです。正解は「2」です。

ネコ
ネコ

問3の「5」の選択肢が違うと判断する根拠と、この問題がリンクしています。少し読解力が必要な問題でしたね。「他人の強み」を特定するのが「自分の強み」だという、ちょっとややこしい話でした。

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