全体概要
第1問~第8問という形式です。さほど迷う選択肢はなかった印象で、時間さえかければしっかり正解を選べる問題がほとんどだったように思います。前年度より文章量が減ったようですが、それでも時間に余裕があるとは思えません。そのため問題の形式をあらかじめ知っておき、その解き方の手順もあらかじめ準備しておく必要があります。
特に最後の「第8問」は、かなりややこしい形式です。準備なしで解こうとすると時間的な焦りと合わさって、混乱しそうです。とはいえ、ざっくりとした内容がつかめればよい部分だったり、読む必要がない部分があったりします。そこを事前に知っているか知らないかで、解答時間に差が出てきそうです。
個人的には、「第7問」の論説文の「マインドワンダリング」の話が面白かったです。この話に出てくる「孵化効果」について、かつていろいろ調べたこともあったので、特に興味を持って読むことができました。問6の「おにぎり屋」の話もベタですが、ほっこりしましたね。
それに対して「第3問」の内容には、正直げんなりしました。虫を殺さずに逃がしてやることに感銘を受けたっていうオチはどうなんでしょう。もっと「禅」についてのあれこれを知りたかったという思いがあります。
教養
「ウェイストマネジメント」「マインドワンダリング」「スポーツ用具の進化と規制」の出題がありました。それぞれその知識があるとないとでは、内容の理解度に大きく差がでそうです。
ランニングシューズについては、ナイキの厚底シューズ「ヴェイパーフライ」が駅伝で人気となり、ほとんどが同じ種類のシューズを履いて走る年もありました。水泳ではレーザー・レーサーという水着が記録を連発した結果、規定が変更されて禁止になったということもありました。
「ウェイストマネジメント」は、エコとかリサイクルとかその辺に意識のある人なら、耳にしたことがある用語かもしれません。また「マインドワンダリング」には、このような記事がありました。
もちろん、どの分野の話題が出題されるかは分かりません。しかしその意味でも、幅広い知識や教養を持っておくと有利です。
普段からアンテナを広げておき、興味があることは調べて、知識や教養を深めておくことが大事です。
イギリス英語
去年もそうでしたが、今年もイギリスが舞台の問題が複数(問2・問5)ありました。イギリス英語とアメリカ英語では、単語の綴りが違うものがあります。
今年の単語では「centre (center)」が出てきました。
これまでには、このようなイギリス英語が出てきました。
「practise (practice)」「realise (realize)」「analysing(analyzing)」「colourful(colorful)」「personalised(personalized)」「honour(honor)」「learnt (learned)」
どれも字面や前後関係から想像がつくかと思いますが、慌てないようにしたいです。
イギリス英語が出てもあわてなくて大丈夫。字面や前後関係から判断しよう。
スピード
時間をかけて丁寧に見ていけば、どの問題も正解を導き出せそうです。しかし語数が多く、その時間が足りない印象です。一定の速さで右から左へ読み進められるように、あらかじめ練習しておくとよいでしょう。少々わからない語があっても、雰囲気読みで読み進めて大丈夫です。
長文をたくさん読んで、読むスピードを上げる練習が有効です。
ただ読み方が雑になってしまうと、「そんなことどこで言っていたっけ?」となります。すると、本文を探し回ることになり、余計に時間がかかります。ブログやウェブサイト、学校関連など身の回りの話題が多いので、当事者意識を持って問題に取り組むようにしましょう。
問題形式ごとの解答手順
文章量が多く、1問1問にそれほど時間をかけられません。行き当たりばったりで問題にあたると、設問の該当部分を探すのに、本文を行ったり来たりしがちです。なので時間短縮のため、その問題がどのタイミングですべきなのかを、見極める必要があります。
また過去問や予想問題などで、形式をあらかじめ把握しておくことで、その解答手順をつかみやすくなります。また流し読みでいい部分、読まなくていい部分も確認しておきましょう。
本文を読み始めるより先に設問に目を通し、それぞれの問題の解答手順をあらかじめ想定しましょう。また過去問や予想問題などで形式を把握しておくことも重要です。
問題形式ごとの解答手順は、具体的には次のようしてみるとよいでしょう。
英問英答形式
設問にあるキーワードを頭に入れておき、それが本文に出てきたら、その周辺に設問の該当部分があると考え、問題にあたるのが基本です。
本文全体に設問の該当部分が散らばっている問題もあります。選択肢が短い場合は先に目を通しておくと、何度も本文を行ったり来たりしながら、探し回らなくて済みます。そして該当部分に出くわすごとに、設問にあたり、選択肢などにメモをします。
「事実」か「意見」かを問う問題は、選択肢の内容だけで絞ることができるものもあります。「意見」を選ぶ問題の場合、仮にそれが内容的に正しいとしても「事実」だと判断できるなら、その選択肢は消去することができます。
順序を答える問題
出来事が起こった順序に並び替える問題があります。ダミーの選択肢がない場合は、先に選択肢にも目を通しておくと、内容の理解に役立ちます。ダミーの選択肢がある場合は、それが誤った先入観になりかねないので、選択肢には目を通さない方がよいです。
本文全部を読んでから設問に取り組もうとすると、本文の最初の方の内容を忘れてしまいます。なので段落や、キリの良い場面で区切って選択肢に取り組み、その時点で出てきた内容の選択肢に番号をつけるとよいでしょう。
ただ話が途中で過去の回想になるなど、時系列が本文に現れる通りになっていないものも多いです。注意しましょう。
語句や文の置き換え問題
下線部の語句や文が、話の流れから適切でないため、それを正しいものに置き換える問題があります。下線部を含めて読んでみて、違和感があれば、それをもとに選択肢を確認しましょう。しかし特に違和感を感じなかった場合でも、「どこが適切でないのだろうか?」と考え込む必要はありません。
そのまま選択肢を一つ一つ確認すると、あり得ない選択肢があります。それを消去していきながら候補を絞っていきます。絞っていくと言いましたが、消去法だけで一つに絞り込めることも多い印象です。直接正解を選ぶというより、消去法を使って絞るイメージで取り組むとよいです。
空所補充問題
空所補充問題には、形式として「空所語句補充」と「空所文補充」があります。どちらも空所の前後関係から判断するのが基本です。
「空所語句補充」は、出題される語句が使いまわされる傾向にあります。過去問などで一通りは確認しておくのが良いでしょう。ちなみにセンター試験を含めた、空所語句補充問題に出てきた語句には、このようなものがあります。
actually / additionally / also / although / anyway / because / but / despite / finally / futhermore / however / if / later on / meanwhile / moreover / namely / nonetheless / nor / now / often / otherwise / seldom / shortly / similarly / sincerely / so / still / surely / then / therefore / though / thus / unfortunately / unless / usually / whether / while / yet
along with / as a matter of fact / as a result / as far as / as if / as well as / at last / at least / at this level / because of / beginning with / compared with / due to / for example / for instance / for this reason / from then on / in a sense / in addition / in conclusion / in contrast / in fact / in other words / in short / in spite of / In that case / in the beginning / in the long run / in the same way / instead of / not to mention it / of course / on the other hand / that is / to begin with / what is more
空所文補充についても、空所語句補充と同じく「接続詞」や「接続副詞」がヒントになることがあります(試行問題ではそうでした)。また空所が段落の最後に来る場合は、それがその段落の結論になることが多いです。するとその段落の最初の文がヒントになるかもしれません。
問1 ダンスコンテストの衣装
まずリード文に目を通した後、設問に目を通します。問1は「worried about safety / 安全性を心配」、問2は「during the second half of the performance / パフォーマンスの後半」が、キーワードとして意識できるといいです。問3は全体を読んでから解答する問題ですね。
問1は「dangerous / 危険」が、キーワードに対応する形で本文に出てきます。これは問題ないですね。問2は Pat か「チェック柄のシャツ」について語っていますが、これが見せかけの手がかりです。キーワードの「second half / 後半」が頭にあれば、大丈夫でしょうか。
問3は最後の発言にヒントがありましたので、全体を読んでから解くという最初の想定で問題ありませんでした。設問に先に目を通して、キーワードを意識して本文を読み進めるとよさそうです。
問2 学生寮についてのレポート
リード文の後は設問に目を通します。問1は「意見」を選ぶ問題。その選択肢が「事実」だと、内容が正しくても正解にならないことに注意です。問2は報告の内容を問われていて、問3は Naoki のコメント、問4は Helga のコメントに基づいて答える問題です。
本文が報告部分とコメント部分に分かれていますので、それぞれ該当する部分に眼が通れば、その問題に取り組むという手順で解きましょう。問4は Helga の意見が、多数派の意見とは違っているのに注意ですね。
問3 ワークショップでの学び
リード文の後は設問に目を通します。問1は著者がワークショップに申し込んだ理由を答える問題です。それを頭に入れて起き、本文の該当部分出てきた瞬間に設問に取り組むといいでしょう。
問2は5つの選択肢から4つを選び、起こった順番に並び替える問題。選択肢の中にダミーが一つあります。余計な情報を入れないように、選択肢には目を通さず、本文に進みます。
全部を読んでからしようとすると、情報量が多くなります。文章量からすると、第二段落を読み終わったら一旦区切って、問2に取り組むのもいいかもしれません。記憶の負担が軽減され、あれこれと探し回らなくて済みます。
問4 エコウィーク活動への参加呼びかけ
ニュースレターの下書きに、先生から修正の指示が入る問題です。リード文の後は設問ではなく、Comments にある指導教官からの指示に目を通します。Comment の指示はじっくり読むのではなく、問題形式を確認する程度でよいです。
問1は文補充の問題です。コメントに「ポスター作製の目的は何ですか? 説明してください」とあるので、それに該当するものを選べばよいです。ヒントはその前の段落にありますので、下線部(1)の段落だけ読んでやろうとすると、失敗します。
問2も空所文補充形式ですが、こちらはどの部分に入れるのかが問題になっています。これは「2006年センター試験問3C」の形式がそれに近いですかね。空所の前後関係から判断するのがいいでしょう。
問3・4は下線部を正しい内容の文に置き換える問題です。その部分に目が通ったら設問に取り組みます。下線部部分を読まなくてもいいと考える人がいるかもしれません。しかしそこにも一応目を通した方がいいでしょう。違和感を感じることができたら、それをもとに選択肢を選ぶことができるからです。ここは消去法を使う方が選びやすい問題が多いような気がします。
「Overall Comments」の部分には目を通す必要はありません。
問5 本の推薦とボランティアのお願い
リード文の後は設問に目を通します。問1はブックフェアの目的を選ぶ問題。リーフレットの最初に書かれてあると想定できます。該当部分に目が通れば、設問に取り組みましょう。
問2は図書館イベントについての正誤を問う問題。これもリーフレットの内容と想定できます。ただ問2は選択肢ひとつずつにおいて、それが正しいのかそうでないのかを確認するという手順で解くのがよさそうです。選択肢より先にリーフレットに目を通してしまうと、余計な情報が頭に入ってしまいます。
問3は推薦図書について書かれた選択肢の正誤を答える問題。Form の部分にヒントがあると想定できます。これも問2と同様に選択肢ひとつずつにおいて、それが正しいのかそうでないのかを確認するという手順で解くのがよさそうです。無駄な個所を読まなくて済むよう、消去法を使い効率よく解答したいです。
問4は推薦した本の中で採用されないものを選ぶ問題。採用されない理由がメールにあると想定できます。メールのその部分に目が通れば、それを踏まえて必要な情報を探せば効率よく、解答することができます。問5はメールに書かれた「要望」を選ぶ問題。これはそれを意識しておけば、メールの中から情報を見つけやすくなります。
多くの情報の中から必要なものを探し出す能力、情報検索力が問われているのではないでしょうか。
問6 物語「おにぎり屋」
リード文の後は設問に目を通して、解答手順を想定します。選択肢は問題に取り組むまで目を通しません。
問1は「おにぎり屋」の老人のキャラクターを、5つの選択肢から2つ選ぶ問題です。本文を全部を読んでから解答するのが基本ですが、問2の流れで、切りのいいところで一旦区切って取り組むのもいいかもしれません。というのも正しいものを2つ選ぶ問題ですから、そのヒントが前半と後半に別れていると考えられるからです。
問2は物語の順序を問う問題です。全部読んでからすると、最初の方の内容を忘れてしまう可能性がありますので、自信のない人は切りのいいところで一旦区切って、その段階までの内容で問題に取り組むといいです。とはいえ、今回の物語はわりとシンプルな話でしたので、本文を全部読んでから解答しても問題なさそうではあります。
ただ「◆」の区切りで「現在」→「過去」→「現在」となっていて、本編が回想シーンになっていることに注意ですね。本文に出てきた出来事がそのまま時系列に沿っていません。このパターンは毎回あるものとして頭に片隅に入れておく方がよさそうです。
問3・4はおにぎり屋の老人と、ミツキについてそれぞれ正しい選択肢を選ぶ問題です。これは本文を全部を読んでから解答するといいでしょう。
問7 論説文「マインドワンダリング」
リード文の後は設問および Slide drafts に目を通して、解答手順を想定しておきます。基本的には Slide drafts の空欄に入る選択肢を選ぶ問題ですので、設問はそれを確認するくらいでよいです。
Slide drafts はそれぞれのスライドのタイトルがキーワードになると想定できます。スライド1の「Mind-Wandering」、スライド2の「Effects」、スライド4の「Incubation Period」や、スライド5の「Neuroimaging Research」が本文で出てきたら、その都度該当する設問に取り組むとよいです。
問5は設問文自体が長いので、設問に目を通すことを後回しにするのもありです。キーワードに沿って本文を読み進めつつ解答していくと、問4の解答を終えた時点で第五段落まで読んでいるはずです。そこで本文の続きを読むのではなく、問5の設問の方に目を通します。その上で本文の残りに取り組めば効率よく解答することができそうです。
「wandering」と「wonder」、「Possible Effects」と「positive effects」といった似た語が出てきます。出題者によるひっかけなのかもしれませんね。
第8問 討論「スポーツ用具テクノロジーの進歩を受け入れるべきか」
リード文の後は設問に目を通して、解答手順を想定しておきます。[Step 1]→問1・2、[Step 2]→問3、[Step 3]→問4・5という形式ですが、[Step 2]は[Step 1]に大きくかかわっています。そのためまずは、問1~問3までの設問に目を通します。問4・5は別の問題と考えて後回しにします。この時点では問4・5の設問に目を通す必要はありません。
問1は「Akane」の意見を選ぶ問題。[Step 1]の Akane の意見を読んでから取り組みます。問2は「Fiona」と「Michael」の意見に共通するものを選ぶ問題。[Step 1]の Fiona と Michael の意見を読んでから取り組みます。ただこの時、心にとめておかなくてはいけないのが問3の内容です。
問3には、ある議題(今年であれば「スポーツ用具のテクノロジーの進歩を受け入れるべきかどうか」)に対して賛成、あるいは反対の立場をとる人物名を選ばせる問題が含まれています。なので問1・2を解くときには、その問自体に加えて、議題に賛成か反対かあるいは中立かも意識しておきます。そして名前のところにでも「〇」「△」「×」の印をしておくと、後で確認しやすくなります。
今回の問題では、問3は「スポーツ用具のテクノロジーの進歩を受け入れるべき」に賛成の立場の二名の人物名を挙げる問題です。ただ問1・2ですでに三人分確認しており、その三人ともに賛成ではありません。つまりそれを意識しておけば、この時点で問3の人物を選ぶ問題の正解は残る二人と考えられ、頭を悩ませる必要がありません。その二人に共通する考えを見つけることに集中すれは良いですね。
問3を解き終わったら、ここでようやく問4・5の設問に目を通します。とはいえ、問4は [Source A]、問5は [Source B] を読んで、それぞれ答えるという内容なので、それを確認する程度でよいです。
自身の立場は、問3でわかっていますので、outline もそれほどきっちり読む必要はありません。また問5については、[Source B] のグラフと整合しない選択肢を削除する問題になっています。[Source B] の英文にすら目を通す必要がないかもしれません。その部分はグラフだけではどうしても絞りきれない場合に、ヒントを求めて読む感じでいいかと思います。




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