鳥の世界というドキュメンタリのDVDを購入し、日々鳥の生態について学んでいるわけなんですが、10巻セットで、その第1巻のタイトルが To Fly Or Not To Fly となっております。
さて、このタイトルの意味するところはなんなのでしょうか?
第1巻の内容はこのような内容です。
ではなぜうろこが羽毛になって、飛べるようになったのかというとやはりその最大の理由は敵から逃げるためなのです。いったん空に飛んでしまうと、敵は捕まえることができません。さらに空に飛ぶということは、海をこえることができるということであり、ということは敵のいない孤島に行くことも可能なわけです。
ちなみに飛ぶというのはものすごくエネルギーを消耗するのでなるべくなら鳥は飛びたくないのです。しかし、敵から逃げるためにはやむをえないので飛んでいるのですが、敵のいない孤島ではその必要がなくなりました。そこで、たとえばニュージーランドに住むキウイという鳥のように飛ばない鳥も出てきたのです。そのほかにも敵から逃げるために飛ぶのではなく走る速さをあげた鳥 (ダチョウ) もいたり…………
で、このDVDにはオリジナル版 (日本語字幕付き) と、かつてNHKで放送されたときの吹き替え版の2つが収録されているのですが、その吹き替え版のほうのタイトルは「飛ぶべきか飛ばざるべきか」となっています。
で、ここからいよいよ英語の話ですが To Fly Or Not To Fly というタイトルについて、小説をよく読む人は、ある小説の台詞に似通っていることに気つくかもしれません。
To be or not to be, that is the question.
これはシェイクスピアのハムレットの台詞ですが、非常に似通っています。間違いなくDVDのタイトルはこのハムレットの台詞を意識しているでしょう。で、このハムレットの台詞は一般的に「生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ」となっています。
NHKの吹き替え版のタイトル「飛ぶべきか飛ばざるべきか」もそのハムレットの台詞の訳に倣っていると思われます。
ではなぜそのような訳になるのかですが、To Fly は当然不定詞です。不定詞と動名詞を使い分けるときのポイントでもありますが、基本的に不定詞の意味は未来的なものを含んでいます。(動名詞は今起こっていること、もしくは以前に起こったこと)
ということで To Fly Or Not To Fly は鳥が爬虫類から進化し始める時点からみて、先々どうして「飛ぶ」ようになったのか、また敵のいない孤島に降り立った鳥が先々どうして「飛ばない」ようになったのか、という視点でのタイトルであるといえるでしょう。
この巻タイトルに不定詞が使われていることから、単に「飛ぶ鳥 = Flying birds」「飛ばない鳥 = Not flying birds」の紹介DVDではない、ということが分かるんじゃないでしょうか。

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